風のBLOG

東京演劇集団風の時事通信!
公演情報や稽古場速報、全国巡回公演の情報など
日々の出来事を速報!!

2011年 春 『肝っ玉おっ母とその子供たち』東日本ツアー その9

2011-07-17 18:00:10 | 全国巡回公演
四月下旬から始まったツアーもいよいよ佳境に入りました。

7月11日 仙台二華中学・高校(宮城)
  12日 渋川工業高校(群馬)
  13日 日本文理高校(新潟)
  15日 世田谷学園中学校三年生(東京)

トップの画像は仙台二華中学・高校の生徒会の皆さんとの一枚。この日は仙台市内の会館にて午前中は合唱コンクール、午後は芸術鑑賞行事という生徒の皆さんにとってとても濃密な一日だったのではないかと思います。
私たちも彼らの合唱を舞台袖や楽屋で聞いていましたが、クラスごとの個性や楽しみながら歌う様子が伝わってきました。
もちろん午後の『肝っ玉~』も真剣な眼差しで、時に笑いや驚きを交えながら観てくれました。
震災の影響で会場の変更もありましたが、この一日のために先生方が尽力してくださり、当日の運営は生徒会役員の皆さんが一生懸命に行ってくれていました。
担当の先生が終演後に、あんなに生徒が引き込まれる舞台を上演できて本当に良かった、ありがとうございました。と、高揚感をもってお仰っていました。
先生方のこの公演に向けての格別な思いがあって、またあの会場にいた全ての人と、お互いに創りあげていった特別な時間であったと感じます。

火曜日の渋川工業高校では高校野球大会のため野球部の生徒さんには見せることが出来ませんでしたが、カーテンコールで立ち上がらんばかりに舞台に手を振る様子を見てあらためて客席から元気をもらいました。



日本文理高校では生徒会役員の皆さんが朝の搬入から手伝ってくれました。↑上はその様子を写した一枚。搬入後も舞台が組みあがっていく様子を客席から見学したりと普段は絶対に見ることの出来ない部分も見てくれました。公演後も生徒会役員の皆さんと座談会を行い、風の拠点であるレパートリーシアターKAZEを含め私たちの活動を紹介しました。
↓下は座談会後の集合写真。皆さん手にはレパートリーシアターKAZEの年間パンフレットを手にしてくれています。



金曜日の世田谷学園中学校は三年生の学年行事として上演しました。公演終了後、二人の男の子が楽屋を訪ねてくれました。二人にとって『肝っ玉~』から受け取ったものはとても大きなものだったようで、彼らの興奮が伝わってきました。
↓下の写真の彼らの笑顔からも交流も含めて大切な思い出になってくれたように感じます。





さて各地の会館や体育館を駆け巡ってきた『肝っ玉~』の旅ですが、今回の東日本ツアーでは残すところレパートリーシアターでの公演を残すのみとなります。

旅の締めくくりとして私たちの拠点でどんな公演が創り上げられるか、メンバー全員が楽しみにしています。是非、凱旋公演にも多くの皆さんに足を運んでいただけたらと願っています。

肝っ玉おっ母とその子どもたち―あとから生まれてくる人たちに― 凱旋公演

2011-07-17 10:44:25 | 公演情報

肝っ玉おっ母とその子どもたち―あとから生まれてくるひとたちに―

7月22日(金)~7月26日(火) 平日:19時~/土日:14時~

作:ベルトルト・ブレヒト Bertolt Brecht 訳:岩淵達治
上演台本・演出:浅野佳成  演出助手:江原早哉香  音楽:八幡茂
舞台美術:アンジェイ・ピョントコフスキ Andrzej Piątokwski
照明:坂野貢也  音響:実吉英一  舞台監督:佐田剛久
製作:佐藤春江

出演:辻由美子/柳瀬太一/田中悟/稲葉礼恵/佐野準
車宗洸/柴崎美納/白石圭司/栗山友彦 ほか


「肝っ玉おっ母とその子どもたち―あとから生まれてくる人たちに―」東京凱旋公演が迫っています。
4月末から始まった春の巡回公演の旅、2006年の秋から続いている肝っ玉の旅は、全国で多くの生徒さん、そして先生方、地域の方々と出会い、旅を重ねるごとに「肝っ玉」という作品の中に描かれている人間や社会の根っこを発見してきました。
そして今回、肝っ玉班が巡回した地域は、東日本です。

ひとつひとつが異なる場所で作る側、見る側が感じるそれぞれの想いや思考を持ちながら、演劇を媒介に、人と人が出会うこと繋がっていくことを経験してきました。

巡回公演で積み重ねてきたものが私たちが発信し続ける演劇の背景のひとつとなり、東京の凱旋公演に挑みます。


ぜひ、劇場に足をお運びください!!

2011年 春 『肝っ玉おっ母とその子供たち』東日本ツアー その8

2011-07-14 15:55:15 | 全国巡回公演
いよいよ春の旅も最終月となる七月に入りました。
先週は花巻市内の高校の合同公演からのスタートとなりました。

7月6日 花巻北高校(岩手)
  7日 《午前》花巻東高校・大迫高校(岩手)
     《午後》花巻農業高校・花北青雲高校(岩手)
  8日 本庄高校(埼玉)
  9日 田園調布学園中等部(東京)

トップの画像は花巻東高校生との終演後の記念撮影。花巻市内の高校生たちの舞台に向ける視線はとても真剣なものでした。今、この時だからこそ改めてこの作品の中にある人の生き様、人との関わり、そういったものをそれぞれに受け取ってくれたように思います。



↑上の画像は記念の色紙をカトリン役の工藤順子から代表の生徒さんに手渡しているところです。学校のどこかに飾られたこの色紙をみて、少しでもみんなで『肝っ玉~』を観た日のことを思い出してくれたらと願っています。

8日の本庄高校は三年前にも『Touch』を上演した学校です。三年前同様当日の進行には図書委員の皆さんが関わってくれました。そして下の画像は公演後行われた図書委員の皆さんとの座談会後の記念撮影。
ある男の子は舞台上で演じている俳優に対する関心を抱いたり、ある女の子は自分の生き方を考えるきっかけとして、座談会の中では彼ら一人ひとりにとって風の公演がどんな意味があったのか知ることが出来る貴重な時間になりました。
担当していただいた先生から「芝居も座談会も充実していました」という言葉をかけていただきましたが、今回の交流が彼らの人生のなかでふとした時に思いだされるエールとなってくれたらと思います。



週末の土曜日は田園調布学園中等部の1・2年生にむけて学校内の講堂での公演でした。
ホームページの掲示板にも沢山の書き込みが届いていますが、客席からの熱気も伝わってくるほど舞台と客席も近くカーテンコールでも割れんばかりの拍手が起こりました。





↑上は二年生の皆さんが手伝いに来てくれた片付けの様子。この日の公演には『ヘレン・ケラー』のメンバーも会場におり、今回の旅で創りあげられている『肝っ玉~』と客席の反応を感じていました。

レパートリーシアターでの凱旋公演も含め残すところ三週間となった今年の『肝っ玉~』、最後まで元気に駆け抜けようと思います。


  

2011年 春 『肝っ玉おっ母とその子供たち』東日本ツアー その7

2011-07-04 14:15:07 | 全国巡回公演
『肝っ玉~』班の旅、先週は東北からのスタートでした。

6月27日 西和賀高校(岩手)
  28日 石巻商業高校(宮城)
  29日 高崎高校(群馬)
  30日 関宿高校(千葉)

西和賀高校では天候はあいにくの雨でしたが朝の準備から生徒さん達が手伝いに駆けつけてくれました。公演の最後に代表の生徒さんが感想を述べてくれましたが、平和について命について、今回の震災の現状を受けて感じ考えてくれた言葉が印象的でした。ブレヒトの描いた時代背景は遠い過去のものですが、観てくれた高校生のみんなの未来に繋がっていっていることを改めて感じました。

トップと下の画像は体育館での片付けを手伝ってくれた。生徒さんや先生の様子です。










↑本当に子供たちも先生方も一緒に楽しんでくれました。


次の日は石巻商業高校での公演でした。今旅で初めての東北沿岸部の被災地域での公演でしたが、上演中の客席からはとても強いエネルギーが感じられ、担当の先生が『肝っ玉~』をこのような状況でも生徒たちに届けたいと語ってくれた言葉…「今だからこそ一歩を踏み出す」…そのことを感じ、それぞれに受け取ってくれたのではないかと思います。






↑は片付けを手伝ってくれた生徒さんの様子。野球部の生徒さんをはじめ沢山の皆さんが手伝ってくれました。彼らの元気な笑顔が体育館内には溢れていました。



↑はおまけですが、最後に野球部のみんなからの要望によって行われた、スイスチーズ役の車による幌車の押し方講座。

群馬県の高崎高校は今では珍しくなった公立の男子高校でしたが、舞台を観るその眼差しがとても印象的でした。風のホームページ掲示板にも書き込みがきていますが、その深い見方には今までとは違う、この旅で創りあげられてきた新しい『肝っ玉~』なのかもしれません。

終演後は演劇部の生徒さんたちとの座談会がありました。しばらく休部状態だったのを、今の部員の皆さんが復活させたということですが、演劇の持つエネルギーや問題提起などを今回あらためて感じてくれたようです。「部の新しい一歩として何を生みだせるのか」、そこに向かう熱を感じました。是非、高崎高校の今のメンバーだからこそできる芝居をやりぬいてほしいと思います。下はその座談会の様子。





関宿高校での公演後は急遽生徒さんが一人楽屋に遊びに来てくれました。公演前のイメージと観劇後感じたことは大分違いがあったようです。学校としても初めての演劇鑑賞行事を生徒たちがそれぞれに受けとめていたことに、先生方も一緒に興奮していました。下はその時の記念の一枚、わざわざ楽屋を訪ねてくれた彼の興味がこれから何を刺激していくのか、とても楽しみです。




いよいよ『肝っ玉~』の公演も最後の一カ月となりました。『ヘレン』班も西日本地域で本当に良いツアーが出来ています。毎週このブログを観て下さっている皆さんも最後まで風の旅を感じてもらえれば幸いです。

『ヘレン・ケラー ひびき合うものたち』第6週目

2011-07-02 20:06:36 | 全国巡回公演
5月からスタートした『ヘレン・ケラー ひびき合うものたち』のツアーもいよいよ後半です。
先週末、大阪でたくさんのお客様に来ていただいたプレミアム公演を終えて、旅班はフェリーで九州へ渡りました。
6月27日 大分大学教育福祉科学部附属中学校(体育館)
  28日 豊国学園高校(北九州芸術劇場)
  29日 大阪府立工業高等専門学校(寝屋川市民会館)
  30日 香川大学教育学部附属高松中学校(体育館)

前半の2校はここ数年連続で風の公演を見続けてくれている学校で、三年生の皆さんとお会いするのは三度目となりました。
「数年前からヘレン・ケラーを上演したかったんです。」「生徒だけでなく教師にもぜひ見てもらいたいと、退職前に校長が言っていました。」という先生の思いを聞くことができました。そこには、芸術鑑賞という時間に起こることが、生徒さん一人一人の心、先生方と生徒さんたちの関係、先生が教育に携わりたいと思ったときの記憶など、学校の何かを揺り動かすかもしれないという期待や願いが込められているのだと感じます。



大分大学附属中学校での生徒さんとの交流。



文化祭でクラス演劇の発表があるので、生徒さんが役者と話したり舞台の仕組みを見学したりする時間を少しでも作りたいと、先生と劇団とで企画した場です。
「舞台で緊張したらどうしたらいいのか」「間違ってしまったらどうしよう」「大きい声が出ないかも」と不安はたくさんあるようです。
でも正しい・間違い、優・劣ではない世界を演劇を通して経験して欲しい。お互いの個性や考えを面白いと感じたり、協力し合ったりする楽しさをこの場で何か感じてもらえたらと思います。





水が出るポンプの仕組みを舞台監督の長谷川が説明しています。



高松中学校の生徒さんたち。舞台の片づけを手伝ってくれました。

生徒さん一人一人が感じたことを、生徒さんの表情を、私たちはほんのわずかしか知ることはできないかもしれません。
でもこの一日が、学校の皆さんの中にも、私たちの中にも、刻みこまれていると思います。
またいつか、どこかで会える日が来ることを願って、次の公演地へ出発します。