風のBLOG

東京演劇集団風の時事通信!
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『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』九州巡回公演第10週目

2015-11-29 14:15:21 | 全国巡回公演

『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』の九州の旅は10週目を迎えました。

今週は

11月24日(火)  大分東高校(大分)  同校体育館
25日(水)  柳川高校(福岡)  柳川市民会館
26日(木)  延岡市立南中学校(宮崎)  同校体育館
27日(金)  佐賀女子高校(佐賀)  佐賀女子短大第一体育館

での4公演を行いました。



大分東高校

2012年の『Touch』以来、3年振り3回目の風の公演でした。
朝、学校を訪れると何人かの先生方が舞台道具の搬入を手伝うために待っていてくれました。生徒のみんなはもちろん、先生方からの公演への期待を感じました。

開演前の客席は、これから始まることへの期待と興奮でとても賑やかでしたが、始まると空気は一変。
時に真剣に、時に笑い、楽しみながら見てくれていました。


終演後には生徒会と文化委員の生徒のみなさんが撤去を手伝ってくれました。

時を同じくして、体育館の2階では、担当の先生の呼びかけで集まってくれた有志の生徒の皆さんとの座談会が開かれ、舞台撤去と同様に盛り上がりました。





柳川高校

2005年の『Touch』以来、10年振り6回目の風の公演となりました。
終始リラックスしながら、それぞれが自由な視点で、『ヘレン・ケラー』の物語を感じてくれていました。

カーテンコールでは、生徒会長さんが、「社会に出て、どんなに高い壁にぶつかっても、ヘレンのように志を高くもって乗り越えて生きたいです。」という言葉を力強く届けてくれました。
今回の公演が、彼らひとりひとりにとって何かしらの力になってくれたらと思います。





延岡市立南中学校

風の公演は初めてとなる学校でした。
開演前、担当の先生の「黙想」の合図でシンと静かになる客席。自然と集中力も高まります。
本番もその集中力は途切れることなく、舞台で起こることにまっすぐに視線を向けてくれていました。


終演後には、バレーボール部をはじめとして、たくさんの生徒のみなさんが舞台撤去のお手伝いに駆けつけてくれました。
劇団員が荷物を受け渡すときの時の言葉を真似して「はい!取ったぁ!」と、みんな元気に、楽しんで手伝ってくれました。





佐賀女子高校

1998年の『ヘレン・ケラー』以来17年振り3回目となる風の公演でした。
会場となった体育館は1000人近くの生徒の皆さんでいっぱい。
「生徒たちが今日の公演を楽しみに、よろこんでいるから集合してくるのが早いです。」と、先生。
その言葉通り、開演前から盛り上がりを見せる客席。
本番が始まると、その盛り上がりは彼女たちの熱い視線に込められ、最後は盛大な拍手で幕を閉じました。


終演後には、演劇部と希望者の生徒の皆さんとの座談会が開かれ、話に花が咲いていました。


体育館での舞台撤去にはソフトボール部、ハンドボール部、バドミントン部、剣道部、座談会を終えた生徒の皆さんが、お手伝いをしてくれました。
撤去のときにもそこここで、生徒さんとの交流があり、お互いに楽しい時間を過ごすことができました。

 


今年の九州の『ヘレン・ケラー』の旅もあと3週間となってしまいました。

今週に入ってぐんと気温が下がり、いよいよ冬らしくなってきました。
が、そんな寒さを吹っ飛ばす勢いで、最後まで駆け抜けて行きます。

文:医者役  佐藤勇太


『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』九州巡回公演第9週目

2015-11-21 14:25:46 | 全国巡回公演

 『ヘレン・ケラー ~ひびき合うものたち』は第9週目を迎えました。
まだ暖かさを残しつつ、徐々に冬の到来を迎えています。

 

11月16日 佐賀県 杵島商業高校 同校体育館

   17日 長崎県 長崎鶴洋高校 同校体育館

   18日 鹿児島県 鹿児島商業高校 同校体育館

   19日 鹿児島県 鹿児島修学館中学・高校 同校体育館

 

 

杵島商業高校

杵島商業高校での公演は今回で5回目でした。朝早い時間から、部活動、図書委員の生徒さんたちが搬入作業に手を貸してくれました。


開場時、体育館に組み上がった舞台を目の当たりにし、「すごい」という生徒さんたちの声が聞こえてきたときには、みなさんの身近な空間で公演ができる喜びを改めて感じました。


公演後には舞台撤去のお手伝いに来てくれた生徒さんたちが、作業をする中で、劇団員に自ら声をかけ、公演中とはまた違った生徒さんたちの表情がみられました。



 

 

長崎鶴洋高校

長崎鶴洋高校は今回で4回目となる公演でした。あいにくの雨だっだのですが、朝からたくさんの生徒さんたちが搬入作業に一生懸命力を貸してくれ、雨天時のどんよりとした空気を吹き飛ばしてくれました。
開演前、椅子を並べに来た生徒さんの中に2年前に風の舞台、「Touch」を見て劇団のことを覚えていてくれた生徒さんもいました。

カーテンコールでは、お礼の言葉と共に長崎の名物、カステラをいただきました。
公演後の舞台撤去に力一杯お手伝いしてくれる生徒さんたちの姿に、私達自身元気を分けてもらったように思います。



鹿児島商業高校

鹿児島商業高校は今回で6回目となる公演でした。
大雨の中の搬入作業だったのですが、多くの部活動の生徒さんが作業のお手伝いに、体育館に到着した私たちを迎えてくれました。
搬入作業を生徒さんたちと共にする中で笑顔を見せながら積極的に私たち劇団員に力を貸してくれました
開場してすぐ体育館に響く元気な声。
リラックスした様子で舞台に目を向ける生徒さんたちの姿を舞台上で感じ、みなさんの思い思いの視点、感じ方で見ていることを感じました。


そんな生徒さんたちの元気漲る力のおかげで舞台撤去もスムーズにいき、予想よりも早く作業を終えることができました。
生徒さんからもらった元気を胸に私たちは次の学校の搬入へ向かいました。



鹿児島修学館中学・高校

鹿児島修学館中学・高校は2004年の「ヘレン・ケラー~響き合うものたち~」から11年ぶりの公演でした。
前日、3階の体育館の搬入のため鹿児島修学館高校に到着すると、多くの先生方生徒さんが出迎えてくれ、作業をしている姿を見て何人かの生徒さん加わってくれ、搬入のお手伝いをしてくれました。みなさんと言葉を交わしながら、たくさんの力を貸して下さった先生方、生徒さんたちのおかげで1時間という驚くべき速さで搬入を終えることができました。
公演は客席から向けられる真剣な眼差しに呼応するように客席と舞台が一体になった舞台であったと感じています。
搬出の最後のほうではヘレン・ケラー役の倉八ほなみやアニー・サリバン役の高階ひかりと握手を交わして、言葉をかける生徒さんの姿が多く見られました。



今週は全て体育館での公演でした。
搬入時から舞台撤去まで共にいて、共につくった舞台を通して、公演の2時間と同じくらいの搬入作業、撤去作業も大切な時間であることを実感できる一週間でした。

来週からの新しい出会いに期待し、まだまだ旅を続けていきます。 

パーシー役 石岡和総


『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』九州巡回公演第8週目

2015-11-15 16:48:26 | 全国巡回公演

『ヘレン・ケラー ひびき合うものたち』のツアーは8週目を終えました。

今週からは、メンバーが入れ替わり、アナグノス校長に柳瀬太一、医者 佐藤勇太、音響チーフ 酒見篤志の3人が合流しました。

美しい飫肥杉の林を通り現地に到着した前日、この地の美味しいものをいただき、鋭気を養いました。

 

11月9日 宮崎県 日南高校 同校体育館

  11日 福岡県 敬愛中学・高校 同校講堂

  12日 福岡県 三池工業高校 同校体育館

 

日南高校

良い緊張感の中、日南高校での芸術鑑賞会が始まりました。生徒さんたちの真っ直ぐな反応は、芝居空間を密なものとし、素晴らしい公演となりました。

 

公演後の搬出のお手伝いには、陸上部、ソフトテニス部、野球部の皆さんが参加してくれました。普段のチームワークの良さを感じさせる動きで、とても早く撤去作業が終わりました。

 

 

同時に出演者との座談会も行われ、役者と生徒さんたちの話は大いに盛り上がり、貴重な時間となりました。担当の先生方、校長先生他、この公演を大成功に導いて下さった先生方、そして生徒さんたち、すべてに感謝の気持ちを持って日南の地から次の地へ向かいました。

 


敬愛中学・高校

同校の講堂(別院)での公演でした。ステージ上の荘厳な須弥壇を背に仕込み、本番となりました。入場してきた生徒さんたちは、いつもの講堂とは違う姿に興奮の声が上がります。

満席の客席の中、始まるととても集中して、芝居に引き込まれているようでした。こちらの学校では、敬愛人権週間ということもあり、へレン・ケラーのテーマでもある『人と人とのつながり』が普段よりもより身近に感じられたのではないでしょうか。(最後の生徒会長さんの言葉にもありました。)

 

公演終了後には、演劇部、生徒会の皆さんが参加しての座談会と有志の生徒さんが撤去作業を手伝ってくれました。皆さん、とても明るく、元気に参加してくれました、ありがとうございました。この公演を作って下さった先生方にも本当にありがとうございました。最後に舞台が撤去され、もとの講堂に戻ったのを確認して、私たちは次の公演地へ向かいました。

 

 

 


三池工業高校

敬愛中学・高校での公演を終え、三池工業高校での搬入作業となりました。

当校は伝統のある工業高校です、生徒さんたちがヘレン・ケラーの本番をどう見てくれるか、私たちも期待を胸に舞台を作り上げていきます。開演前に校長先生が話された言葉に私はとても感銘を受けました。

それは、「君たちは、ものづくりのプロになるため今、色々な分野で技術の修練をしています。その技術を身につければ社会のコマの一つとして働くことはできると思います。しかし、ある時、今までにないもの、新しいもの要求される時が必ず来ます。その時、新しい発想、あるいは霊感を得るためには何が必要か?それは違う分野の文学や芸術や音楽です。若い時期に芸術に触れることは、違う発想力を養うことができると思います、だからこの芸術鑑賞会という行事に意味があるのだと思います。」

この言葉をじっくりと聞いている生徒さんたち、公演が始まってもとても真剣に芝居を見ているのが伝わって来ます。皆さんが大きく日本を支え、育てていくことを期待しています。

 

 

撤去の作業もみんなとても元気に手伝ってくれてありがとうございました。そして担当の先生方はじめ、たくさんの先生方にたくさんの感謝とお礼を、本当にありがとうございました。

 

舞台監督 佐田剛久


『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』九州巡回公演第7週目

2015-11-13 14:29:39 | 全国巡回公演

11月になりましたが、場所によってはまだ、暖かさの残る九州での公演。
『ヘレン・ケラー ~ひびき合うものたち』九州巡回公演も7週目を迎えました。

11月2日 熊本県  熊本西高校  同校体育館
     4日  宮崎県  宮崎農業高校  宮崎市民文化ホール
     5日  大分県   柳ヶ浦高校  同校体育館
     6日  福岡県   羽犬塚中学校  サザンクス筑後小ホール
     7日  鹿児島県  神村学園小・中・高等部  同校アリーナ

熊本西高校

7週目最初は、『ハムレット』以来26年ぶり、2回目の風の公演となった熊本西高校での公演です。
体育関係に力を入れている学校でもあり、入場からとても活発な生き生きとしと声が響いてきました。



1000人を超える生徒の皆さん。
体育館いっぱいの客席からは、2時間という時間の中で、物語が進むにつれて、客席からの眼差しが強く、熱くなるのを感じるとても濃密な公演でした。
終演後は、今回の芸術鑑賞行事の様子を校内発表して頂くということで、出演者との写真とインタビューを受けました。
レコーダーとマイクの用意、そして、私達の言葉を一生懸命に書き綴る生徒さん。
本格的なインタビューで、お互い最初は緊張していましたが、後半は少しづつ打ち解け、生徒さんの笑顔もみられました。
今回のインタビューと写真は、録音された会話と、生徒さんの書き綴ってくれた文章を元に編集され、校内発表されるそうです。
彼らの手によって、今回の公演の様子をどのように描いてくれるのか、楽しみです!



そして、撤去のお手伝いには、沢山の部活の生徒さんが集まってくれました。
皆、積極的に声をかけてくれたり、汗を流しながら真剣に仲間と協力する姿に出会え、貴重な交流時間となりました。




宮崎農業高校

今回2回目の公演は、風は4回目となる宮崎農業高校、そのうち、97年に『ヘレン・ケラー』を公演しており、18年ぶりの『ヘレン・ケラー』の公演です。
そして、場所は何度もお世話になっている宮崎市民文化ホールです。
会場して間も無く、「やった!一番前」と元気の良い声が袖まで聞こえ、これから、彼らと何を生み出せるだろうかと、身が引き締まる想いでした。



開演前の先生による丁寧な挨拶から始まり、「出会いの素晴らしさを感じて欲しい」と客席に向かって語りかけた言葉が印象的でした。
この公演を繋いでくれた先生方の想いのバトンを客席も私達も受け取るように始まった本番。
客席からは、舞台を見つめる真っ直ぐな視線に支えられての公演でした。



カーテンコールの生徒さんのお礼の言葉では、女生徒さんの「演劇には興味があり、今回の演劇には惹きつけられました」と彼女の豊かで真っ直ぐな言葉を頂きました。
また、バックステージツアーに参加した生徒さんも、触れたもの、感じたことに素直に喜びや驚きの反応を見せてくれたり、座談会でも盛り上がりを見せてくれたりと、劇団員も生徒さん方から受け取るものが沢山ありました。



そして、演劇部の男子生徒さん二人も、「大道具や舞台構造に興味があり、人が乗っても大丈夫なセットを創りたい!」と真剣に舞台セットを観察したり、撤去作業を手伝ってくれたりと、これからの彼らの様々な可能性の輝きを感じました。

 

柳ヶ浦高校

今週折り返しになる3回目の公演は、95年の「星の王子さま」以来20年ぶり、風は2回目の公演です。
なんと!
翌日が文化祭ということもあり、準備日でもある公演当日に、7時代の朝の早い時間からお手伝いの為に女子サッカー部の生徒さん、生徒会長さんが体育館の入り口で、出迎えてくれました。
搬入作業から舞台創りの合間にも、男子サッカー部の生徒さん方など続々と集まってくれました。



舞台が完全に出来上がるまでお手伝いをしてくれた生徒さん。
「舞台頑張って下さいね」「楽しみにしてます」と声を掛けてくれる生徒さんの応援の言葉を受け迎えた本番。
一瞬一瞬の舞台での出来事に、一人一人が呼応し、彼らの息づかいを感じる公演でした。



終演後のバックステージツアーでも皆好奇心の向くまま舞台に触れ、とても生き生きとした表情をしていました。
「あれ、私が創ったんだ、とか思って観てました。」と、話してくれた女生徒さんの言葉。
普段とは違った視点から観れた、という声も聞き、様々な想いの重なり合った公演となりました。



また、撤去のお手伝いにも協力して頂き、この1日の公演を皆で創り上げることが出来たのだな、と感じました。




羽犬塚中学校

今週4回目は、風の公演は始めてとなる中学校での公演です。
午前は、『ヘレン・ケラー ~ひびき合うものたち』の芸術鑑賞、そして、午後は、合唱コンクールという、羽犬塚中学校の皆さんには、とても濃密な1日となったようです。



本番中、静かに真剣に舞台を見つめる客席からは、とても重みのある彼らの“観る”波を感じました。
1幕が終わり、休憩になると、それまで静かだった空間が一気に解け、熱のこもった声で揺れる空間となり、思い思いの言葉を友達と投げかけ合う声が聞こえてきました。
そして、2幕が始まると、1幕とはまた違った探求する様な視線を感じ、共に作品を巡る空間となりました。



カーテンコールの生徒さんのお礼の言葉では、「合唱コンクールでは、しっかりと歌って伝えたいと思います。」と、午後の合唱コンクールへの想いを伝えてくれました。



終演後、合唱コンクールの為、会場を移動する生徒の皆さん。
彼らの歌声を聞くこと出来なかったのは残念でしたが、今の彼らだから歌える声が、伝えたい想いが、きっと響いていたことでしょう。

 


神村学園小・中・高等部

今週最後の公演は、今回で風の公演は10回目となりました、神村学園での公演です。
そして今回2回目となる小学生と共に創った公演。



小学生、中学生、高校生と役1000人の多様な感性の入り混じった空間。
前列に座り、食い入る様に舞台を見つめる小学生の姿、そして、遠くからもこちらに身体を向け、向き合っている、中学生、高校生の姿を舞台上からもしっかりと感じることが出来ました。
公演中の、小学生の皆が、それぞれに舞台に向けて声を掛けたり、反応してくれる姿は印象的でした。
『ヘレン・ケラー』という作品から、自分の観たもの、感じたものを通し、すくい上げるように発見を掴む姿、そして、客席も影響し合いながら動く空間となりました。



カーテンコールの生徒さんのお礼の言葉では、「自分も子供と関わる仕事を目指しているので、今回感じたことに、学んだことを生かして行きたいです」と自身の夢を一言一言紡ぎ、熱い想いを語ってくれました。
終演後は、弓道部、陸上部、野球部と他にも沢山の生徒さんが撤去のお手伝いに来てくれました



慣れない作業も、汗を流しながら、笑顔を絶やさずお手伝いをしてくれる彼らの姿に元気を貰い、皆の協力を経て、あっという間に劇場から、彼らの生きづく体育館へと戻っていきました。



撤去が終わった後、「私達にとっても貴重な時間となりました」という先生の言葉に、皆で創り上げたこの1日の時間が、きっと、お互いを発見し合える貴重な時間となったのだなと、感じました。

とても色濃い出会いの7週目。
それぞれの公演を繋ぎ支えて下さった皆様の出会いを胸に、まだまだ精力的に頑張って行きます!

ヘレン・ケラー役 倉八ほなみ


2015年秋『ハムレット』ツアー7週目(最終週)

2015-11-09 15:15:10 | 全国巡回公演

9月に広島、山口から始まって日本を縦断し東北までを駆け抜けた『ハムレット』の旅。いよいよ最終週を迎えました。

11月2日 燕中等教育学校(新潟県)

11月4日 古川学園高等学校(宮城県)

11月5日 郡山開成学園 郡山女子大学・短期大学・高等学校(福島県)

11月6日 船引高等学校(福島県)

 

燕中等教育学校

 

中等教育学校は六年制の学校で、ちょうど中学一年生から高校三年生と同じ年代の生徒さんたちが通っています。

新潟で今季一番の寒さの中、朝早くから大勢の先生方が劇団のバス・トラックを出迎えてくれました。初の演劇公演への大きな期待が伝わってきます。

今回の公演は学校の公演にしては珍しく自由席で、早く体育館に来た人から前の席で見られるようにしたと聞いていましたが、開場と同時に生徒さんたちが歓声を上げて入ってきました。「近くで見たかったので急いで昼ご飯を食べました!」という生徒さんも・・・!

開演前に照明・音響席を見に来た生徒さんたち

公演が始まると好奇心いっぱいの視線が舞台に注がれ、小さな動きにも生き生きとした反応が返ってきました。

公演後には4年生の男子と5年生の有志の生徒さんたちが片付けに参加してくれました。予定の下校時刻を過ぎても、最後まで手伝いたいと残ってくれた生徒さんもたくさんいて、その頑張りに先生方も感心していました。

また、体育館にはたくさんの女子生徒さんたちが手帳や下敷きなどを持って集まってきました。劇団員のサインをもらいながら観劇後の想いを語ってくれました。

生徒さんの人に対する真っ直ぐさと、先生方の暖かい眼差しを感じる一日でした。

 

 

 

 

古川学園高等学校

10年前に『星の王子さま』を上演し、5年前には『Touch~孤独から愛へ』を公演している学校です。

開演前の校長先生の挨拶では、岡本太郎さんの言葉を引用して「芸術とは見たり聞いたりする事を通して“なんじゃこりゃ~!!”と驚くことです。」と話してくれました。舞台袖で待機している私たちも、生徒の皆さんが驚きに出くわし心に深く残る場が創れるようにと願いました。

観劇後に代表の生徒さんからこんな舞台挨拶が。「このままでいいのか、いけないのか。ハムレットの言葉のように、私たちにも考えたり悩んだりすることがたくさんあります。私は考え続けることを辞めないでいたいと思いました。」10代の若い人たちがそのように感じる時間をこれからも創っていきたいと改めて思いました。

風の活動をずっと応援し続けてくれている先生が「今回の公演では、生徒がなぜこんなに興味を持って見入っていたのか・・・不思議なくらいよく見ていました。」とおっしゃっていました。きっと生徒さんたちの心の奧にあるものが動き出す場だったのではないでしょうか。

 

 

 

郡山開成学園 郡山女子大学・短期大学・高等学校

 

来年で創立70周年を迎える郡山開成学園の《建学記念講堂大ホール》で、年に3回行われている「芸術鑑賞講座」での公演。今回で192回目という歴史のある行事です。風では12年前に『星の王子さま』で訪れて以来久しぶりの上演です。

高校、短大、大学の女子生徒さん1200人が集まっての観劇でした。

公演が始まるととてもリラックスして楽しみながら、時に緊迫した空気に変化していく客席。カーテンコールでは会場中の皆さんが笑顔で思いっきり手を振ってくれました。

行事を企画している広報部の方々が呼びかけて下さり、「ぜひ劇団員と話がしたい」と100人を超える皆さんが会場に残ってくれました。中には昨年公演をした郡山商業高校の卒業生で「ハムレット」の観劇は2度目という学生さんもいました!客席内で行った座談会では、高校生と大学生が一緒になってハムレットを演じた佐野との話に盛り上がりました。座談会後も「他の劇団員にも会いたい」と舞台裏を訪ねてくれた学生さんたちと交流が続きました。

芸術・福祉・幼児教育などの学科がある学校で、子どものための演劇を創作、発表する場もあるとのこと。自分の夢や学園生活について話してくれた学生の皆さんの表情から、穏やかでのびのびとした学校の雰囲気が感じられました。

 

 

 

船引高等学校

いよいよ千秋楽の公演です。この日は意外な訪問者が・・・!

昨年『肝っ玉おっ母とその子供たち』を公演した神奈川県の善行中学校から、職場体験のために風の劇場を訪れていた2年生の生徒さんが、演出の江原早哉香、俳優の白根有子と共にはるばる福島県の船引高校まで来てくれました!

「なかなかできない経験です。」と舞台裏を見学したり、出演者にインタビューしたり積極的に劇団の活動にふれていました。

 

さて、開場時間になり生徒さんたちが入ってきました。『ハムレット』の公演に向けて図書や世界史の先生が中心になり、生徒たちが少しでも関心を持つようにと事前学習に取り組んでくれたそうです。校長先生の挨拶も「みなさん一人一人がハムレットになったつもりで観劇してください。」と、生徒に見て欲しいという願いが込められていました。

その成果も有り、幕開きから興味津々で楽しんでいる生徒さんたち。小さな出来事も見逃さない眼差し、感じたことを言葉に出して参加してくるエネルギー!本当に生命力溢れる客席でした。

公演後の片付けには、バトミントン部とサッカー部の皆さんが手伝いに駆けつけてくれました。「写真を撮りたいので、片付けも手伝います!」と有志で参加してくれた生徒さんもいて、最後まで盛り上がりました。

一方、演劇部の生徒さんと顧問の先生がぜひ座談会をしたいと申し出て下さり、体育館の後方で車座になり、ハムレットと話し込んでいる様子・・・!たくさんの質問が出たようです。(下の写真は演劇部のみなさん)

舞台の撤去が終わり、いよいよお別れの時には「なんだか切ないなあ」「寂しいです~」という生徒さん。

たった一日の出来事にもかかわらず、心を開いてくれた一人一人との出会い。私たちツアーメンバーの心に深く刻まれ、次の旅へと繋がっていくと思います。生徒の皆さんにとっても、かけがえのない自分の心が動いた感覚が、この先も自分らしく人や物事と出会っていく力となることを願っています。

公演のためにご尽力いただいた先生方、道具の搬入、撤去を手伝ってくれた皆さん、このブログやホームページの「掲示板」にメッセージを寄せてくれた方々、そして観客席から「ハムレット」を一緒に創り出してくれた皆さん、本当にありがとうございました!!

 

文:稲葉礼恵(オフィーリア役)

 

 


2015年秋 『ハムレット』ツアー 第六週目

2015-11-01 17:57:45 | 全国巡回公演

9月からスタートした『ハムレット』のツアーも折り返しの週を過ぎ、気づけば10月も終わりに近づき、充実したツアーが続いています。

10月26日 高畠高等学校 (山形県)
     27日  常磐大学高等学校 (茨城県)
     28日  市川高等学校 (山梨県)
     29日  日本赤十字社 福島支社主催
               浪江高等学校津島校 (福島県)
     30日  中之条高等学校 (群馬県)


高畠高等学校

2008年に『Touch~孤独から愛へ』を上演し、2度目の上演となりました。
公演前日の日曜日に東京を出発し、同校の2階にある体育館に舞台装置の搬入を行いました。

公演中は息をのむように集中する皆さんや、クスクスと笑ったり、すぐ目の前で水のしぶきをあげて水槽に入るハムレットに、皆さんが昂揚して観る姿など、舞台上から見ていて印象的でした。

終演後には演劇部、卓球部、女子バレーボール部、女子バスケットボール部、体育館掃除に来た皆さんが片付けを手伝ってくれました。
皆さんと話しながらの舞台の片付けは楽しい時間でした!






常磐大学高等学校

2003年『星の王子さま』、2009年『Touch』、2012年『ヘレン・ケラー』を上演し、今回の『ハムレット』で4度目の上演となりました。

1000人を超える生徒の皆さんの反応が、ある迫力としてこちらにかえってくる感じを捉えて芝居が進み、物理的な距離よりも身近さを感じる公演でした。
担当の先生から以前伺った話で、『星の王子さま』を観た卒業生たちと再会した時に、箱根にある星の王子さまミュージアムに旅行に行ったエピソードがありました。当時の想い出など話が盛り上がり、卒業してからもあとに残る時間だったとお話していました。僕たちの喜びであることはもちろん、生徒の皆さんのために上演の機会をつくった先生方の喜びとなる芸術鑑賞行事だと思います。
この『ハムレット』も皆さんの心に残り、いつかまた何かのかたちで触れる機会があることを願っています。




市川高等学校

2000年『ヘレン・ケラー』、2006年『星の王子さま』を上演し、3度目の上演です。
上演前に担当の先生の挨拶で、「舞台を観るみんなと、舞台で演じる役者が一体になって舞台がつくられる」と話していたように、満席の客席と共にと感じあえた公演でした。
カーテンコールでは、皆さんのあたたかい拍手に押されて、4回みなさんの前に立つことができました。
終演後には座談会を希望するたくさんの生徒の皆さんが集まっていました。
わざわざ片付けが終わるのを待って、話をしに来てくれた生徒さんもいたように、それぞれの中に感じたことや、伝えたいことが生まれていたのだと思います。

 




日本赤十字社 福島支社主催
浪江高等学校津島校

日本赤十字社福島支社の方々の協力もあり、昨年の『ヘレン・ケラー』に続き、2年連続しての上演になりました。
今年は2年生と3年生24名が鑑賞し、昨年ヘレン・ケラーを演じていた稲葉とは1年ぶりの再会となりました。
静かに観入る皆さんの姿が強く印象に残り、間近で観る皆さんに語りかけるようなやりとりがあった公演でした。
終演後はバックステージが行なわれ、全生徒の皆さんがステージ裏や小道具に触れ、音響や、照明などを体験して、片付けの手伝いもしてくれました。
担当の先生をはじめ、数人の先生とお話ししましたが、学校ではおとなしい子ばかりだけど、手伝う姿や劇団員の方々と話す今日の生徒は輝いている。と先生方も嬉しそうに話していました。
来年を最後に廃校になると聞きました。担当の先生は来年の3年生にもなにかしてあげたい。できることならまた風さんにお願いしたいと力強く語ってくれました。公演に限らず、僕たちも力になりたいと思います。
相双地区を始め、福島県の復興の一助となりたいと強く思いました。




中之条高等学校

2006年『星の王子さま』、2012年『ヘレン・ケラー』に続き3度目の上演です。
開場とともに、舞台上を見て「おぉ~」、「すげぇ~」「うわぁ~!」と舞台袖にも聞こえてくる程、期待している皆さんを感じていました。
幕が開けば、真剣に芝居を観ながら、あるところでは盛り上がり、舞台を観てひそひそと話す皆さんの反応が印象に残りました。
終演後に担当の先生の呼びかけで、たくさんの生徒の皆さんが座談会に集まっていました。客席で行なわれていた座談会の笑い声が片付けをする劇団員にも届いていました!
「東京の劇場に観に行きたいです!」と言っていた生徒さんもいました。
群馬県のみなかみ町の月夜野には僕たちのアトリエもあります。僕たちにとって群馬は第2のホームグラウンドです。また再会の機会を願っています!




第六週目も終わり、『ハムレット』のツアーは最終週を迎えます。
また新たな出会いに期待して、ハムレットは駆け抜けます。


文: ホレーシオ役   田中 悟