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成田 正の楽屋入り口 by STHILA COMMUNICATIONS

アニー・セリック

2006-11-24 00:20:09 | ●ディーヴァの肖像
 仕事柄から普段はまず浅く広く聴き、その中からピンときた順に優先順位を付け、コレというやつは盤面が擦り切れるくらい聴き込む。それが、オーディオの電源を浄化してからますます楽しくなってきた、という順の話しでもオーディオ自慢になることに変わりないか。ともあれ、それに前後した期間全般の今年、とにかく女性ヴォーカルが面白かった。かしこまって順位を付けるとまた気が変わるから=実際、再調を繰り返すと好き嫌いも変調する=ここ2週間、毎晩聴いているのが『四月の思い出/アニー・セリック(No Greater Thrill/Annie Sellick)』だと。彼女には前作に当たるアルバムで、もう過去のことなのかも知れないが、「アフター・ノラ・ジョーンズ」を象徴するかのようなこの歌のパンチ力とセクシーな雑味、そして、真っ赤なACコブラがお似合いの美形(アルバムのアート・ワーク)には、下半身を中心にして色々なところをやられたって感じ。いや、それは半分冗談にしても、若き白人女性ながらアニタ・オデイ的なスキルと芸能性を備え、なおかつ明るいセピア調を描ける表現力の見事さ、これには参ったというか、「チーク・トゥ・チーク」を毎日一度は聴かないと寝付きが悪いみたいな感じでいる。先月インタヴューしたフレドリカ・スタール嬢は「ノラ・ジョーンズが開けてくれた窓の向こうに光を見つけた」とか言っていたけれど、そこを見ないで頑張るディーヴァ予備軍、僕にはこっちの方が俄然逞しく頼もしく好感度絶大だ。その次に今のところ、やはりソフィ・ミルマン、エリザベス・コントゥマノウ、エミリー・クレア・バーロウ、アン・ハンプトン・キャラウェイ。ダイアナ・クラールのスタンダード集は素晴らしいけど落ち着き払い過ぎ。マデリン・ペルーを深夜聴くと、ビリー・ホリデイが還ってくるようでちょっと怖い。ティファニーはお愛嬌満点なのがちょっと、と。で、『四月の思い出』には、「ベスト・カヴァー・デザイン賞」も謹呈。

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