かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

ザ・ビートルズ・レット・イット・ビー

2013年05月24日 | The Beatles



本書は、本屋で見つけた。まだ、出たばかり。
ロックの名盤シリーズの第三弾。
著者は、スティーヴ・マッテオ氏。米東海岸の音楽雑誌の編集長らしい。
訳者は、石崎一樹氏という日本の大学の英語の准教授。

そして、本書は、ビートルズのレットイットビープロジェクトにかかわった人に徹底的にインタビューし、当時の音源をひっくり返し、関係図書を読み漁り、この成功したか、失敗したかわからないプロジェクトの全貌を明らかにしようとした本だ。

書かれたのは、2003年で、当時、レットイットビーの音源が多量に見つかったり、評価の分かれるアレンジ担当のフィルスペクターが、殺人事件を起こしたり、結構、レットイットビー関係の話題の多い年だった。Let It Be Naked が日の目を見たのもこの頃だ。
本書によれば、映画の方も、再上映に向けて準備が進められていたらしい。

そんな中、本書は、よくまとめられている。
最初、ヘイジュードのプロモの作成のシーンから始まるが、ここで、久しぶりに、観客と歌ったビートルズは、久しぶりに、観客の前で音楽を演奏することの楽しさを思い出し、何かコンサートらしいものをやってみたもいいかなと思い出しだと分析する。
そして、レットイットビープロジェクトがスタートしたが、実は、何も具体的なことは決まっておらず、しかも期間は一カ月に区切られ、かなり悲惨なセッションになった。

ただ、この貴重な映像と音源は、今や、ビートルズを知る上で、欠くことのできない貴重なものになっている。
そして、それらを分析すると、確かに、セッションは、かなり散漫なものだったが、まさに幅広い音楽を、思い思いに演奏していたことがわかる。
最後のルーフトップコンサートがクライマックスだったが、これもどたばたで決まり、寸前まで実現するか、誰もわからなかったという。GHが特に気のりしない中、JLが、いいんじゃないの!といい、その勢いで、実現したというのが、関係者の証言だ。

その映像や、テープがどういう運命をたどったかまで、本書は、フォローする。
何と、そのテープから作成された海賊版は、100以上にも上るという。私もちょっとは、持っているが、氷山の一角に過ぎない。
そして、その音源の研究を、こつこつ続けている人がまだいるのだという。
このビートルズの1カ月を、完全に復元しようと。

マニアックな本だが、ビートルズファンは、読んでみてはいかが?
結構楽しめる。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ブッダ 大いなる旅路 ① 輪... | トップ | ブッダ 大いなる旅路 ② 篤... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。