かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

鎌倉殿と執権北条氏

2022年02月10日 | Books

現在、外は、冷たいみぞれ模様。
これから、また大雪になるそう。
明朝、アイスバーンにならないといいのだが。



昨年の大河は、個人的にも関係の深い渋沢栄一ということで、かなりの本を読みこんだ。
今年は、鎌倉殿と13人ということで、またまた鎌倉育ちで、伊豆にもよく行く私にとって、縁のある大河。

ということで、本屋行ったら凄い量の本が出ている。
その中で、一番よさそうな本をゲットしてみた。
他は読んでいないので相対比較はできないが、正解だったように思う。
NHK出版新書ということで、大河を意識した内容になっているのかもしれない。

著者の坂井氏は、承久の乱、源氏将軍断絶という2冊の本を著され、本書は、3冊目という。
前作と被らないようにということで苦労もあったようだが、いいバランスになっている。
今大河でやっている伊豆時代の話、源平合戦に勝利し、最後承久の乱までをカバー。
たぶん大河で描かれる期間をマッチしているのだろう。
本書を書き始めてから、大河ドラマの時代考証も。
三谷脚本で、やりにくそうだが。

あまり中世の本は読んでいない。
結構、史実がはっきりしていて推理部分が少ないのではないかというのがその理由だが、本書を読むと、平安末期から鎌倉時代にかけての資料は、乏しく、かなりの推理力が必要だ。
吾妻鏡が、北条よりとは言え、一応カバーしているのかと思っていたが、全然そうではなく、特に頼朝の伊豆時代はほとんどわかっていない。
北条家も然り。
まだ貴族の時代で、貴族については、かなりの資料が残っているが、武士は、特に坂東の武士は、貴族から見れば荒くれものに過ぎなかったのだろう。

本書では、発見だらけだった。

北条家が、鎌倉時代の主役になっていくのだが、当初、源氏とどの程度行動を共にしていたのか、極めて疑わしいという。
確かに、最初から、源氏と平氏が、きれいに色分けされているわけではないから、どっちにつくのかを鮮明にするリスクはあったのだろう。
時政が頼朝を預かったことから、当初は、頼朝をサポートしたが、石橋山の合戦で大敗し、そこから、鎌倉へ攻め入る時期、京都との関係構築時、いまいち判然としない。

本書では北条泰時の母を、頼朝の最初の妻である八重と推理している!
ドラマではどうなるのか!?

承久の乱の前は、後鳥羽上皇と共に国を治めて行こうという合意ができていたが、実朝暗殺によって、敵対する関係になり、承久の乱の結果、本当の意味での武家社会が完成したという事実。
これは、推理ではなく、たぶん史実。

この時代を通じ、男性陣は、殺し合いの中、主人公が入れ替わっていくが、その中で、存在感を放ち続けるのが、北条政子。
先日お墓をお参りしたが、武家社会の成立を主導したのが、女性というのも興味深い。
八重と政子と、ドラマの経糸になっていくのかもしれない。

三谷幸喜が、この時代をドラマ化したい理由がわかったような気がする。
今年の大河ドラマが、ますます楽しみになった。

コメント
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