さいばい日誌

放流用のマダイやアワビなどを育てる種苗生産の現場をご紹介します。

マダイの試験放流

2018-08-23 11:07:40 | 放流、イベント
8月22日(水)、マダイの試験放流を行いました。
これは、毎年行っている県下一斉放流を
陸上輸送からの岸壁放流で実施できるかの試験で、
実現すれば天候に左右されることも少なく、
計画的な生産を行うことができます。


放流には、陸上で中間育成していた種苗を用いるため、
マダイ飼育棟で作業スタートです。


円形水槽の推移を下げて、


活魚トラックの水槽に水を溜めていきます。

準備が整ったら、沖出しと同じ要領で稚魚を集めて、


バケツを滑車で水槽内に降ろして、


稚魚を入れて、


滑車で持ち上げて重量を計測。

予め1尾当たりの重さは量ってあるので、
最終的な重量の合算から種苗数を算出します。


それをそのまま活魚トラックの水槽に入れていきます。


どの程度の密度まで収容できるかも、ポイントです。


高気温のため、各水槽に氷を入れて、蓋を閉めて移動します。


放流箇所では、現地の漁業者や漁協の職員に
今回の試験について説明します。


サイフォンの原理を使って、ホースで海水ごと稚魚を流していきます。


トラックの上は、こんな感じ。


ホースを動かして稚魚を吸っていきます。
これも沖出しと同じ要領ですが、
稚魚が大きく成長している分、泳ぐ力も強くて
なかなか吸いにくくなっています。


ホースからどんどん放流されていく稚魚たち。


種苗のサイズもチェック。
放流に必要な60mmはしっかり超えています。


ホースで吸いきらない種苗はバケツで放流。


元気に泳いでいきました。

今回の試験放流は、東京湾側と相模湾側の合わせて3ヶ所で行いました。

漁港内の岸壁からの放流だと、釣り人にすぐ釣り上げられてしまうのでは?
という声もありました。実際、釣り上げられることもありますが、
それは放流尾数のうち数パーセントにも満たない数で、稚魚たちは順次、
港の外に移動していくので放流効果にさほど影響はありません。
逆に、沖合いで放流されてもエサの多い浅場へと移動してくるため、
岸壁での放流の方が効率的で、歩留まりも良くなることが期待できます。

昨日のように台風のウネリが入ってきているような海況でも、
岸壁放流なら安全に実施できますし、地元の立ち合いもしやすくなります。

様々な点でメリットの多い陸上輸送&岸壁放流は無事成功しました。

今後も、実用化へ向けて色々と検討を深めていきます。
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