「幕末大名」失敗の研究 (PHP文庫) | |
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著者はまだ50歳以前後の方、よく歴史を研究されている方だ。当時、幕府や各藩は財政が厳しかった。しかし会津の松平容保は京都守護職をやり、島津久光は、薩摩から兵を連れて上京し政治を動かした。長州藩は国内はもとより国外とも戦争をし、消耗した。それは、自分の利益ではない、国の将来を考えたため、自ら犠牲を払った。正義がある。
正義があったからこそ、幕末の志士たちの物語は人気がある。今もやっている新撰組検定や、もうやってはいないが坂本龍馬検定なども人気が高かった。しかし、「正義」と「政策の成功」は別物、失敗も多い。
井伊直弼は暗殺された、山内容堂は坂本龍馬を失った、松平容保は会津戦争でひどい目にあった。水戸藩などは殺し合いで維新の頃は人材がいなくなっていた。
ところどころ、現代の政治家や外国の政治家も登場する。電車の中で読む読み物としては、そこそこ面白い文庫本である。