資格マニアの徒然草ブログ

目標としていた70歳で五百資格、2年前倒しで達成しました、これからはジャンルに関係なく、徒然なるままに書いていきます。

舟を編む、なんか変だ

2015年05月01日 | IT
舟を編む (光文社文庫)
クリエーター情報なし
光文社

 この本、文庫本化された。2012年本屋大賞、累計100万部突破、とあって、書店に平積みになっていた。割と読み安く、電車の中で二、三日で読んでしまった。

 辞書を作るプロの苦労が初めてわかる内容だ。そして馬締(まじめ)と香具矢(かぐや)の微妙な関係も。この本、たしか映画にもなったと思ったが、あんまりよく覚えていない。

 ところで、読み進むうちにおかしなことに気がついて、最後まで納得できなかった。辞書を作るには、用例採集カードというのを作っておいて、それをもとに辞書に採用するか、どうか決めるそうだが、これを日頃から少しずつ準備しておく。そして編集会議では、これを一つずつ専門家を入れて検討する。もちろん辞書だから、字数も考えてそのページに収まるかも検討する。

 もう一つ、辞書は薄い紙で、ぬめり感が必要という。2ページまとめてめくれないようにするし、また独特のぬめり感が必要という。ここの検討に製紙会社の方と一緒に出版社も検討する。辞書の紙の香りがしてくる話だ。

 ちょっとまてよ。このITの時代、そんなこと今でもやっているのかな。どの企業もITを取り入れて経営革新するのに必死になっている。用例カードの編集の話はIT化になっても同じだが、紙の「ぬめり感」の話、今でもそうなのか、ほんとかいな。

 私は、辞書はもうITものしか使わない。パソコンだけの時はパソコンの立ち上げに時間がかかり、Iフォンでは画面が小さすぎて、入力がやだからあまり使わなかった。ところがIパッドの登場で生活シーンが変わった。引きたい単語があれば,Iパッドをリビングに持ってきて、入力する。Iパッドは立ち上げが速く、入力画面も大きく、ストレスがない。

 これに慣れると大きな辞書を持ってきて、よいしょっと、使う気にはなれない。ただ、辞書はデジタル大辞典とか、パソコンで専用のものらしいが。

 小説には、ケータイのメールの内容も出てくるから、現代だ。しかし、デジタル化の話は出て来ない。小説の出版社の様子は20年前のようだ。ほんとにこの時代、分厚い紙の辞書を必死になって作るものだろうか、分厚い紙の辞書が売れるんだろうか、この分厚さ、辞書を引く手間こそIT化にふさわしく、IT化のメリットが出る商品のはずだが。

 著作者に聞いてみたいね。辞書を作るのに、ほんとに今でもこんな作業をやってるのか、またそれが売れるのか。今なら、昔気質の辞書の作成者が、IT化時代になって仕事に惑う、というのが物語の肝になりそうだが。このベストセラー読後の、私の感想です。いかがしょうか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする