「生きづらさへの支援」

というテーマの集まりがあった。主催は北海道社会福祉士会。1時から5時までの長丁場。さすが閉会前に退席することにしたが、2人の発題があり、特に渡井さゆりさんという20代の女性の話は非常に印象的だった。

渡井さんは今は「日向ぼっこ」というNPO法人で社会的養護の当事者参加推進団体の理事長職にある。この会については http://hinatabokko2006.main.jp/ を参照していただきたいのだが、渡井さんは子どもの頃親からの虐待等により児童養護施設で過ごすことが多かったという。彼女の話と著書「大丈夫。がんばっているんだから」(徳間書店)を手がかりにして簡単に紹介する。

「親元にいるより施設で生活できてよかった」と今思っている、そういう家庭だった。しかし学校でもいじめなどを体験し、親にふりまわされ、そして自分もまた万引きや警察沙汰を繰り返す子ども時代だった。失恋や堕胎、そして結婚、自殺未遂など大きな苦労をへながらつかんだ「まとめ」のいくつかを引用しておこう。
「『人は人、自分は自分』。こう思えてからは楽になった」
「本人が変わりたいと思わなければ、人は変わらない」
「『自分だけじゃないんだ』。そう思わなければ、前に進まない」
「志を共有できる仲間がいれば、生きていける」
「もうひとりじゃないから、だいじょうぶだよ」
  「心を開けば、世の中は意外と温かい」。
今彼女は夫と1歳の息子と共に、「日向ぼっこ」を動かしている。
絶望の中でもがきながら「生きる意味」をつかんできた、と述懐する。

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