映画「連合艦隊司令長官山本五十六」

クリスマスイブで土曜日の今日の朝標記の映画を見た。
前回の「源氏物語」と対照的な戦争モノ。太平洋戦争開戦時の山本の意見と行動、そして苦闘が描かれる。日独伊の三国同盟を結ぼうという国の上下の動きにこれは「結局は日本を滅ぼすことになる」といって反対する。

しかし昭和16年対米英開戦必至という状況の中で、山本はアメリカと講話条約を結ぶことを想定する。一日も早く戦争を終わらせるための真珠湾攻撃だった。そしてどういう場合でも卑怯な戦法はとることをさけるべく宣戦布告を事前に行うことを強く求めていた。
山本のこれらの願いや思いとはすべてが逆の方向に進む。そして山本搭乗の電文を解読され、アメリカの戦闘機からの集中砲火を受けて撃墜される。

若い頃海外留学などの経験もあって国際的な視野でものを見ることができた、当時としては希有の人だったという評価ができるのだろう。
映画が描き出す山本五十六が、太平洋戦争開戦70年目の今日何をいいたいのだろうか、とちょっと疑問でもあった。視野を広くもち指導力をもつリーダーであれば日本の不幸を避けることができたのだ、というようなことでもあろう。しかしやはりこの映画でも日本の戦争政策が、300万人以上の日本人の犠牲と、これをはるかに超えるアジア各地の人びとへの被害をもたらした大本のところがアイマイであることが気になる。

だから、あの困難の時にもすぐれた人がいたんだよ、というアピールになっているだけの映画といっては語弊があるだろうか。

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