職員旅行 ー 鎖国と禁教、そして戦争・原爆

この23日から4日間、職員旅行で長崎、熊本、大分の各県を回った。江戸時代、ただ一つだけ外国に向けての窓口だった長崎、そしてこの長崎は広島とならんで原爆の犠牲を余儀なくされた町でもある。鎖国から開国へ、そして近代化の流れと戦争の惨禍など日本の近代の特性と矛盾をきわめて鋭く描いて世界に示した歴史のいくつかのドラマがかさなっている地域を、駆け足で体験してきた感がする4日間だった。

鎖国・江戸時代の260年間、ただ長崎だけがオランダというヨーロッパ世界に対して門戸を開いていた。この小さな空間から世界がどのように、日本人の目に映っていたのだろうか、また世界の近代化のすさまじい260年間が日本人の意識と感性にどういう影響を与えていたのだろうか、などを知ることは、できるはずもなかったが、そういう問題意識はこれからのテーマになっていきそうな感想だった。

鎖国の時代は厳しいキリスト教禁止政策が徹底されていた。しかしその中でも、かくれキリシタンが子孫代々生き続けていたことも、天草地方での歴史の中で教えてもらった。

杉野さんが、私たち8人(プラス幼児1人)を乗せて、朝早くから夜遅くまで北九州を運転して見聞を広げることに尽力をしてくれたが、その体力と熱意にただ感謝するばかり。

A先生が2歳の男の子をつれて参加された。この利発な子どもはみんなのアイドルになったというか、話し相手になってくれた感がする。どちらが「子守」役だったか、むしろアオト君が主役だったといっていいかも知れない、そんな坊やだった。

「このアオト君が成人になってそのお祝いのカンパイをすることができるとすればその時自分は白寿だ。それまでは元気で生きているよ」という新しい人生目標を見つけることができた。

天候にもめぐまれ、また帰りの九州から東京に向かう飛行機がなかなか激しく揺れてまた一つの体験を重ねることができたような。
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