高校無償化に関して

4月1日を期して「高校無償化」が実現する。公立高校の場合が「無償化」に該当するのだが、私立高校の場合(就学支援金が支給される)の負担は月額1万円分が安くなる。ただ年収350万円以下の場合はさらに父母負担額は軽くなる。

3月29日の朝日新聞は、これに関して「フリースクール・定時制・特別支援 高校無償化で負担増」の解説記事を載せた。16歳から18歳までの子どもをもつ家庭で、その子が高校に通っていない場合(例えば中退した、高校に行くための準備をしている中学浪人、高校に代わってフリースクールに通っている、などのケース)には、2011年1月から所得税が、また12年6月分からは住民税が変更され、増税になる(年額2万数千円以上アップ)。つまり、高校無償化の恩恵を受けないで税金だけが増える計算だ。しかもその増税分は「無償化のための財源」という。まさに踏んだり蹴ったりという事態が生まれる。

とはいってもより多くの人が恩恵を受けるのだから、という声もあるだろうが、こういう差別の拡大はやはり問題だ。
また私立高校の場合は、上記のような負担減にはなるが、公立はタダということでいえば、公私格差の額はあまり変わらなくてもその「負担の格差」意識はゼロか2万数千円かということだ。差は無限大の印象を与える。

無償化のために準備される財源は約4,500億円かそれ以上。そのカネの多くを、私立の生
徒の負担軽減に当てることだってあり得る。全員が無償ではないだろうが、そういう形の政策を行うなら、公私の格差はきわめて小さくなるはずだ。もちろん、高校に行っていない若者の場合だった恩恵を受けることのできるようにする。

高校無償化は、数的な点ではより多くの人たちにメリットは与えることになるだろうが、教育負担のさまざまな矛盾をあぶり出しているといえる。

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