呉市かまがり天体観測館

呉市かまがり天体観測館のブログです。
イベントや星空情報等を掲載していきます。

金井さん、アサイン!

2015-08-31 14:32:52 | 天文ニュース

国際宇宙ステーションの第54次/第55次長期滞在搭乗員に
金井宣茂宇宙飛行士が任命されました。

金井さんは2009年に宇宙飛行士候補者、2011年に宇宙飛行士
となり、現在まで様々な訓練を続けてこられました。

宇宙へは2017年11月頃から約半年間の滞在となる予定です。

現在は油井さんが搭乗中、2016年6月には大西さんが搭乗予定
と日本人宇宙飛行士の活躍が目覚ましいですね。



(画像:JAXA)



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「すざく」の運用終了

2015-08-30 14:07:12 | 天文ニュース

宇宙にはたくさんの望遠鏡が打ち上がっています。

わざわざ宇宙から観測する理由は主に以下の2つです。
(1)大気のゆらぎから逃れること
(2)可視光・電波以外で観測すること

(1)は地上から宇宙を観測する時に大気がユラユラしていると、
ユラユラのせいで天体の細かな部分が分からなくなり、望遠鏡の
性能をフルに発揮できないためです。

(2)は天体から来る情報のうち光と電波(と赤外線の一部)以外
は大気や水蒸気のせいで、地上まで届かないので、宇宙をX線などで
観測しようと思うと宇宙から観測するしかないからです。

以上の理由から、宇宙には可視光線、赤外線、電波、紫外線、X線、
γ線という各々の波長で観測するための観測衛星が打ちあがって
いるのです。

そして今回、日本が打ち上げた5番目のX線天文衛星である「すざく」
の運用終了がJAXAから発表されました。「すざく」は2005年7月に
内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられ、世界で初めて銀河外縁部の
X線スペクトルを観測するなど、宇宙の構造形成やブラックホールの
周囲の探査で活躍しました。

目標寿命である2年を超えて、10年も動き続けてきましたが、通信、
バッテリー、姿勢制御に問題があり、観測再開が困難なことから、
運用終了が決定されました。



(画像:JAXA)


6番目のX線天文衛星は欧米と共同で、今年度中の打上げを目指しています。



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満月って?

2015-08-29 14:19:04 | 星空の楽しみ方

明日(8月30日)は満月です。

正確に言うと、今日昇ってきた満月が日を越えて午前3時30分頃に満月を迎えます。

満月とは地球から見た時に月が太陽に対して真反対にくることを言います。
左手を太陽に向ければ、右手の方向に月があるということです。

新月から何日経ったかを表す指標に月齢と言うものがあります。
新月が0、次の日は1、・・・・という具合です。

満月は月齢で言うと、14~16の間で起きます。
満月の時の月齢が一定しないのは、地球の周りを回る月の軌道が楕円を描いて
いるためです。そのため、お月見の日が必ず満月とは限らないのです。

旧暦は月の初めが必ず新月となるように作られていたため、月齢に1を足せば、
ほぼ日にちになりました。ですので、日食が起きるのは必ず1日、十五夜は必ず
月齢14(ほぼ満月)となり、同じ日付にはだいたい同じ形の月が見られました。
昔のカレンダーは月の形と日付が密接に関係していたのです。

天の文を読み解いて、昔の人の生活や慣習を想像してみるのも面白いですね。







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OAO特別公開

2015-08-28 13:37:46 | 天文ニュース

岡山県浅口市には日本最大級の天体観測施設である岡山天体物理観測所(OAO)
があります。

ここには国内では2番目の大きさを誇る光学望遠鏡(口径188cm)をはじめ、
91cm反射望遠鏡、65cm太陽望遠鏡などが設置されています。

これまで数々の宇宙を謎を解き明かすのに貢献しており、近年では太陽系外
の惑星を発見するなどの成果を挙げています。なお、現在進行中の系外惑星系
に名前を付けるキャンペーンでは命名対象の惑星系に岡山天体物理観測所で
発見されたものが4つも選ばれています。

OAOは普段も見学することができますが、明日8月29日(土)は特別公開日で、
通常の見学では入ることのできない場所まで見ることができます。
また、太陽系外惑星に関する記念講演会も2つ予定されていますので、週末に
どこへ行くか迷っておられる方は、OAOへ行ってみてはいかがでしょうか?
隣接する岡山天文博物館もおすすめです。

詳しくはこちらへ



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氷でお湯を沸かす太陽!?

2015-08-27 13:40:22 | 天文ニュース

私たちに最も身近な恒星である太陽。

太陽は直径が約140万kmのガスの球で、約30日をかけて自転しています。

太陽はいくつかの層に分けられており、中心から外側に向かって、
中心核→放射層→対流層→光球面→彩層→コロナとなっています。

とても身近な分、多くの研究がなされてきた太陽にも未解決の大きな
問題がいくつか残されています。その中に「コロナ加熱問題」という
のがあります。

太陽の表面温度は約6,000℃なのですが、一番外側の希薄な大気である
コロナは温度が約100万℃もあります。表面の熱が外側に伝わっていって
外側が温められているとすれば、内側より外側が熱いというのはおかしな
ことです。

やかんでお湯を沸かすことを考えると炎よりもお湯の方が熱くなっている
わけです。氷でお湯を沸かすような感じです。普通はそんなことは起こり
ませんね。

この問題には2つの有力な解決策が考えられていて、1つは「ナノフレア
加熱説」といって、観測できないような小さな爆発現象が太陽でたくさん
起きていて、それがコロナを加熱しているという考え方です。ただし、
この考えではコロナの温度を維持できそうにないことが分かっています。
もう1つは、「波動加熱説」といって、波の形でエネルギーが運ばれ、
コロナの中で熱に変換されるというものです。

そして今回、日本の太陽観測衛星「ひので」とNASAの太陽観測衛星「IRIS」
が共同観測を行い、さらに国立天文台のスーパーコンピュータ「アテルイ」
でシミュレーションを行うことによって、「波動加熱説」でコロナの温度
が説明できそうなことが分かりました。

全てが解明されるにはもう少し時間がかかりそうですが、飛躍的に研究が
進みそうです。



(画像:NASA/JAXA/NAOJ)


詳しくはこちらへ




コメント (2)
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