呉市かまがり天体観測館

呉市かまがり天体観測館のブログです。
イベントや星空情報等を掲載していきます。

月食と宇宙ステーションが同時に

2015-03-27 13:10:38 | 天文台情報

4月4日(土)に皆既月食が起きます。

かまがり天体観測館では、午後7時~午後9時に月食の観察会
を予定しています。望遠鏡や双眼鏡で観察することはもちろん、
ライブ映像を投影する予定ですので、参加者のみなさんで月食
の様子を共有することができます。

そして、さらに嬉しい情報があります。

当日の夜8時頃に、上空を国際宇宙ステーションが通過します。
見ることができるのは約5分間です。

月食の最中に宇宙ステーションも見ることができるなんて、
奇跡のような話ですね。

ぜひ、一緒に春の夜空を楽しみましょう。



イベントのお知らせ
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 「月食をみよう」

   日 時 : 4月4日(土) 19時00分~21時00分

   場 所 : かまがり天体観測館

   対 象 : どなたでも

   参加費 : 大人200円、小人100円

   問合せ : TEL  0823-66-1166

         E-mail  kama-bg@jewel.ocn.ne.jp

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星の衝突

2015-03-26 14:08:28 | その他

宇宙にはたくさんの星があります。

星が数百億~数千億個くらい集まった集団を銀河と呼び、宇宙には
銀河が1000億個以上あると考えられています。

ですから、宇宙にある星の数は、およそ

 (銀河に含まれる星の数)×(銀河の数)= 100,000,000,000 × 100,000,000,000

                    = 10,000,000,000,000,000,000,000 [個]

ということになります。つまり、宇宙には約100垓個の星があるんですね。
ここで考えている星というのは、太陽と同じように自分で光っている星である
「恒星」のことです。惑星や衛星、星雲などの天体まで含めれば、もっと途方
もない数になります。


では、宇宙にはこんなにもたくさんの星があるのに、ぶつからないのでしょうか。
今日は私たちの身近な範囲で考えてみましょう。

考え方は、「自分の大きさの何個分動けば、ぶつかるのか」です。
人間で考えると、1歩分がちょうど自分の身体の幅と同じなら、
「何歩でぶつかるか」ということですね。

太陽の大きさは直径が約140万km、太陽から一番近い恒星までは約4光年です。
この4光年という距離は太陽何個分か(太陽が何個入るか)を計算します。

 (何個分) = (道のり)÷(太陽の大きさ)

       = 4×300,000×365×24×60×60 [km] ÷ 1,400,000 [km]

       ≒ 27,000,000

です。つまり、2,700万歩ほど行けば、隣の星にぶつかります。
※光年をkmにして考えています。


今度は、銀河で考えてみましょう。
私たちが住んでいる天の川銀河は直径が約10万光年、隣にある同じくらい大きな
銀河であるアンドロメダ銀河までは約230万光年です。

 (何個分) = (道のり)÷(天の川銀河の大きさ)

       = 2,300,000 [光年] ÷ 100,000 [光年]

       = 23

です。つまり、23歩ほど行けば、隣の銀河にぶつかります。


こう考えると、宇宙で恒星同士が衝突するというのはとても珍しいが、
銀河同士が衝突するというのはしょっちゅう起こりそうだということ
が分かります。

ただし、宇宙には私たちの周りの宇宙空間よりももっともっと恒星同士が
密集している場所もあるので、そこなら恒星同士がぶつかることもあり得ます。
これまでにも高輝度赤色新星という星の衝突だと思われる現象がいくつか
見つかっています。また、最近では今から350年くらい前に記録された現象が
星の衝突に伴う新星だったのではないかという発表がありました。

もしかすると、今晩、空を見上げている間に何かが起こるかもしれません。

宇宙の神秘ですね。





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小学校の算数で

2015-03-25 14:14:43 | その他

今日は小学校で習う算数で宇宙を解いてみましょう。
小学校での勉強がいかに重要かが分かると思います。

今回は天体の動きについてです。



月は地球の周りを約27.3日かけて回っています。
月から地球までの平均距離は約38万kmですので、月が地球の周りを
1周する道のりは、円周の計算から、

(月の道のり)= 2 × 380,000 [km] × π

       ≒ 2,400,000 [km]

小学校の時に習った、道のり・速さ・時間の関係を使うと、
月の公転速度は、(速さ)=(道のり)÷(時間)で求まり、

(月の公転速度)= 2,400,000 [km] ÷(27.3×24×60×60 [s])

        ≒ 1 [km/s] 
  
です。月は地球の周りを秒速1kmで回っているんですね。
※日を秒の単位にして考えています。


では、今度は地球で考えてみましょう。
地球は太陽の周りを約365日で回っています。
地球から太陽までの平均距離は約1億5千万kmですので、地球が太陽の周りを
1周する道のりは、円周の計算から、

(地球の道のり)= 2 × 150,000,000 [km] × π

        ≒ 940,000,000 [km]

地球の公転速度は、(速さ)=(道のり)÷(時間)で求まり、

(地球の公転速度)= 940,000,000 [km] ÷(365×24×60×60 [s])

         ≒ 30 [km/s]

です。地球は太陽の周りを秒速30kmで回っているんですね。
※日を秒の単位にして考えています。


では、さらに太陽系で考えてみましょう。
太陽系は天の川銀河の中心の周りを回っています。ところが、人間が
そのことを知ってから、まだ1周が完了していません。どのくらいの
時間をかけて回っているのでしょう。これを知るためには、道のり・
時間・速さのうち、道のりと速さが分かれば計算することができますね。

ここでは、最新の観測結果から、太陽系と天の川銀河の中心との距離は
約2万8千光年、太陽系の公転速度は秒速約230kmとして考えます。

1周する道のりは、円周の計算から、

(太陽系の道のり)= 2 × 28,000 [光年] × π

         ≒ 180,000 [光年] 

太陽系の公転周期は、(時間)=(道のり)÷(速さ)で求まり、

(太陽系の公転速度)= 180,000×300000×365×24×60×60 [km] ÷ 230 [km/s]

          ≒ 7,200,000,000,000,000 [s]

          ≒ 230,000,000 [年]

です。太陽系は天の川銀河の中心の周りを約2億3千万年かけて回っているんですね。
※光年をkmの単位にして考えています。また、最後は秒を年の単位にしました。

太陽系の年齢が46億歳とすると、今までに天の川銀河を何周しているでしょうか。


このように考えると、小学校までに習う知識で、宇宙のことを自分で解いたり、
考えたりすることは十分にできるのです。扱う数字が大きいので慣れが必要なだけ。
だから、小学校で習う勉強・範囲は、とても大事なのです。


ぜひ他にも、算数を使って答えを導き出せる宇宙の問題にチャレンジしてみてください。




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春分に何思う

2015-03-22 13:09:52 | その他

2015年は3月21日が春分の日でした。

春分とは二十四節気の1つで、毎年3月21日頃に訪れます。
清明(4月5日頃)までの期間のことを指す時もあります。

春分の日には昼夜の長さがほぼ同じになりますが、日の出、日の入りの決め方と、
大気による屈折の影響により、実際には、夜よりも昼の方が長くなります。
また、春分の日には、太陽は真東から昇って真西に沈みます。

天文学では、太陽が春分点と呼ばれる場所を通過する瞬間を春分と定義しています。
春分点とは、地球の赤道(面)を空まで伸ばしていった「天の赤道」と空の中を
1年かけて太陽が動いていく通り道である「黄道」が重なっている2点のうち、
太陽が南半球側から北半球側に移る点(昇交点)のことです。

さらに、春分点は天文学ではとっても重要で、星の位置の基準の1つになっています。
空にも地球で言う緯度・経度のようなものがあり、緯度に当たるものを赤緯、経度に
あたるものを赤経と言います。これが星の住所になっているわけです。

緯度と赤緯は赤道(天の赤道)を基準としています。一方、経度はロンドンの
旧グリニッジ天文台を通る子午線(測地系によってちょっと違います)、
赤経は春分点を通る子午線を基準にしています。

ところが、この春分点は約26,000年の周期で動いています。基準が動いているので、
星の位置を考える時は、「ある日ある時刻の位置から考えて、今どこにあるのか」
ということを計算しなければいけません。赤経・赤緯(赤道座標と言います)で
考える場合、現在、最も多く使われているのはJ2000.0という元期で、地球時の
西暦2000年1月1日12時00分00.000秒時点の星の位置を表しています。

春分の話題から、少しややこしい話になってしまいましたが、
天文学に限らず、何か物事を見たり考えたりする時は、
「何を基準にしているのか、どの視点で考えるのか」
というのがとても大事です。

人もそれぞれ基準や視点が違いますよね。
日々の生活の中でも、基準や立場を変えて考えてみると、
今までとは違う捉え方ができて良いかもしれませんね。




イベントのお知らせ
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 「月食をみよう」

   日 時 : 4月4日(土) 19時00分~21時00分

   場 所 : かまがり天体観測館

   対 象 : どなたでも

   参加費 : 大人200円、小人100円

   問合せ : TEL  0823-66-1166

         E-mail  kama-bg@jewel.ocn.ne.jp

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日本でオーロラ

2015-03-21 13:39:35 | 天文ニュース

3月18日に北海道でオーロラが観測されました。
このオーロラは低緯度オーロラと呼ばれ、赤い色をしています。
平安時代頃から江戸時代頃までは「赤気」と呼ばれていました。
日本でオーロラが観測されるのは11年ぶりのことです。

残念ながら、今回のものは肉眼で確認できほど明るくはならなかったよう
ですが、今後、肉眼で見えるものが出現する可能性もあります。
過去に肉眼で見えた記録はたくさん残っていおり、最も古いものでは
日本書紀に記述が残っています。

オーロラは太陽の活動に大きく影響されます。それは太陽から飛んで来た
粒子が地球の大気を光らせるからです。エネルギーの高い粒子がたくさん
飛んで来れば、それだけ大規模で明るいオーロラが発生します。
太陽は約11年の周期で活発な時期とおとなしい時期を繰り返しているので、
オーロラがよく観測される時期もほぼこれに一致します。

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