呉市かまがり天体観測館

呉市かまがり天体観測館のブログです。
イベントや星空情報等を掲載していきます。

土星食

2024-07-20 13:11:23 | 星空情報
7月25日(木)の朝に土星食が起きます。
全国の広い範囲で土星食が見られるのは約10年ぶりです。

今回は月齢19の月に土星が隠されます。高度が30°~20°ほどなので、
高さとしてはやや低めなのも気にかかりますが、それよりも空が明るい
時間帯に起きる現象ですから、夜間の観察とは勝手が違うことに気を
付けねばなりません。

太陽の危険、明るい空、気象条件などをクリアしながらの観察となります。
熟練の観察者なら、ぜひ観察にチャレンジしていただきたいところです。

観察はちょっと難しいかもしれませんが、以下にデータを載せておきます
ので、参考にしてみてください。

  今回の土星食のデータ(呉市)
 --------------------------------------------
  日にち    2024年7月25日(木)
  隠れ始め   6時23分
  食の最大   6時53分
  隠れ終り   7時21分
  方位     西南西
  高度     30°~20°
  月齢     19.2  
 --------------------------------------------

次に土星食が日本で見られるのはは12月8日(日)の夜ですが、呉市では
土星が月の縁をかすめ、(残念なことに)ギリギリ隠されません。

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水星をみよう

2024-07-18 14:14:42 | 星空情報
肉眼で見ることができる惑星は、水星、金星、火星、木星、土星の5つです。
これらのうちで最も見つけるのが困難なのが水星です。

水星は最も太陽の近くを回る惑星で、地球から見ると、太陽の近くを行ったり来たり
するような動きをするため、常に太陽の近くにあり、とても見づらい天体です。

そして、7月22日(月)に水星が東方最大離角を迎えます。
これから数日間が夕方に水星を見るチャンスです。

それでも高度が10°以下とかなり低いので、地平線まで見通せる場所や高いところ
に登るなどして、空のかなり低いところが見える場所で観察すると良いと思います。
方角は西~西北西です。

午後7時30分~午後8時に西の空やや北寄り、高度10°~5°ほどのところを探して
みましょう。太陽が沈んだ後であれば、双眼鏡を使った方が見つけやすいです。

なかなか見つけづらいと思いますが、水星を自分の目で確認したことがある人は、
そう多くはないと思いますので、ぜひ、この機会に探してみてください。

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月面Xをみよう

2024-07-12 13:43:17 | 星空情報

7月13日(土)の22時頃に月面X(エックス)と呼ばれる現象が見られます。

これは月に当たる太陽の光の当たり具合で、月面にたまたま「X」という文字が
浮かび上がるものです。

空は暗い時間帯ですが、月の高度が低いので少し観察しづらいかもしれません。

上の時間の前後1時間ほどは観察できますので、望遠鏡をお持ちの方は、ぜひ
観察&撮影にチャレンジしてみてください。
※肉眼や双眼鏡(低倍率のもの)では見ることができません。

次回、月面Xが見られそうなのは9月10日(火)の20時50分頃です。
※今回よりもさらに高度が低いです。



画像中央あたり(欠け際のあたり)にXの字が見えます。


また、最近では「LOVE」や「A」の文字を発見されている方もいらっしゃる
ようです。みなさんも光と影が演出する面白い地形を見つけてみてください。
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七夕(2024)

2024-07-06 13:03:00 | 星空情報

七夕は1300年ほども前から行われている伝統的な行事で、沿岸の地域では、
願い事を書いた短冊を笹に飾り、7月7日の朝に海へ流すのが風習です。
つまり、7月6日夜から7月7日朝にかけて行う徹夜のお祭りです。

もともとは奈良時代に中国から伝わり、日本の棚織津女(たなばたつめ)の
伝説と合わさったものだといわれています。これは村の災厄を除くために
水辺で衣を織り、神の降臨を待つ巫女のお話です。

現在知られている七夕のお話しは、結婚してから働かなくなった機織の上手
な織姫(こと座のベガ)と牛飼いである彦星(わし座のアルタイル)を天帝
(はくちょう座のデネブ)が天の川を隔てて引き離し、7月7日にだけ会う
ことを許すというものです。

古来は旧暦の7月7日に行う秋のお祭でしたが、1873年の改暦後は新暦
(グレゴリオ暦)の7月7日に行われることが多くなりました。残念ながら、
新暦の7月7日は梅雨の最中なので雨の日が多く、星空の行事を行うには
難しい時期となってしまいました。

2024年の場合、旧暦7月7日は8月10日に当たります。

また、本当の(伝統的な)七夕の日には毎年必ず半月になります。
夜半に月が沈み、その後に天の川が見えるようになるのです。

今年は8月10日(9日夜から10日朝にかけて)に昔の人が見ていたのと
同じ七夕の夜空を体験してみるのも良いかもしれませんね。

さて、みなさんはどんな願い事をしますか?





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太陽から一番遠い日(2024)

2024-07-04 14:29:01 | 星空情報

明日、7月5日(金)に地球が遠日点を通過します。

遠日点とは軌道上で太陽から最も遠い場所のことをいいます。
つまり、1年のうちで最も太陽から離れる日なのです。

え!?太陽から遠いはずなのに暑いじゃん!

と思った方もいらっしゃるかもしれませんが、現在の地球では、
近い点と遠い点の距離の違いで受け取る熱の差よりも、地球の
傾きによって受け取る熱の差の方が大きいのです。

夏は上から太陽の光が当たるので、地面が熱を受け取りやすく、
冬は横から太陽の光が当たるので、熱を受け取りにくいのです。

つまり、もしも距離の差がもっとあったり、地球の傾いている
角度が違っていたりすると、太陽から遠い夏の方が寒くなるかも
しれません。

地球は地軸の傾きや軌道の形がたまたま寒暖差の少なくなるような
バランスになっているのですね。生物にとってはラッキーです。

7月5日(金)は今年で一番小さな太陽を見ることができる日、
なわけです。

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