宇宙にはたくさんの望遠鏡が打ち上がっています。
わざわざ宇宙から観測する理由は主に以下の2つです。
(1)大気のゆらぎから逃れること
(2)可視光・電波以外で観測すること
(1)は地上から宇宙を観測する時に大気がユラユラしていると、
ユラユラのせいで天体の細かな部分が分からなくなり、望遠鏡の
性能をフルに発揮できないためです。
(2)は天体から来る情報のうち光と電波(と赤外線の一部)以外
は大気や水蒸気のせいで、地上まで届かないので、宇宙をX線などで
観測しようと思うと宇宙から観測するしかないからです。
以上の理由から、宇宙には可視光線、赤外線、電波、紫外線、X線、
γ線という各々の波長で観測するための観測衛星が打ちあがって
いるのです。
そして今回、日本が打ち上げた5番目のX線天文衛星である「すざく」
の運用終了がJAXAから発表されました。「すざく」は2005年7月に
内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられ、世界で初めて銀河外縁部の
X線スペクトルを観測するなど、宇宙の構造形成やブラックホールの
周囲の探査で活躍しました。
目標寿命である2年を超えて、10年も動き続けてきましたが、通信、
バッテリー、姿勢制御に問題があり、観測再開が困難なことから、
運用終了が決定されました。
(画像:JAXA)
6番目のX線天文衛星は欧米と共同で、今年度中の打上げを目指しています。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます