呉市かまがり天体観測館

呉市かまがり天体観測館のブログです。
イベントや星空情報等を掲載していきます。

アインの食

2020-02-28 13:03:23 | 星空情報
3月2日(月)の夜におうし座のε星(アイン)の食が起きます。

食とは、ある天体が他の天体を隠してしまう現象のことで、今回は月による
恒星食です。3.5等の星が半月に近い月に隠されるので、明るさの差が大きく、
肉眼よりも双眼鏡や望遠鏡での観察をおすすめします。

呉市では、西の空のやや北寄り、高度30°~15°あたりに見え、22時18分頃に
月の影の部分から潜入し、23時25分頃に明るい部分から出現します。

アイン(目という意味)といえば、かま天ととても深い関係にある星で、周りに
見つかっている惑星(日本のグループが発見)に、かま天が提案したアマテルと
いう名が付けられています。

アインは地球から約150光年離れたヒアデス星団の中にある恒星で、質量は太陽の
約3倍、年齢は約6億歳で人生の終盤にさしかかっている星と考えられています。
アマテルは望遠鏡を使っても見えませんが、アインは肉眼でも確認できるので、
ぜひ、牡牛の左目に注目してみてください。

チャレンジされる方はしっかりと準備をして観察に備えてください。
寒さにも耐えられるようにしておきましょう。




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金星をみよう

2020-02-27 15:15:40 | 星空情報
ここのところ、夕方に西の空を見ると、とても明るく輝く星があります。

これは金星で、いわゆる宵の明星です。

宵の明星・明の明星はともに金星のことで、それぞれ太陽よりも東側に
位置している時、西側に位置している時にあたります。

これから、金星は東方最大離角(3月25日)、最大光度(4月28日)を
迎えていきますので、ちょうど見頃の時期に入っていきます。

肉眼では明るく輝く星に見える金星も、望遠鏡で見ると、月と同じように
満ち欠けをしていくことがわかります。東方最大離角の時はちょうど半月
の形に見え、それから金星は内合(6月4日)に近付いていくにつれて、
形はだんだんと細く、大きさはだんだんと大きく見えるようになります。

晴れていれば、ぜひ夕方に西の空を見てみてください。

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KAGRAが本格始動!

2020-02-26 14:34:35 | 天文ニュース

世の中にあるほとんどのモノは質量を持ちます。
そして、質量を持つモノは周りの空間を歪めます。
(ゴムの膜の上に物体を置いているようなイメージです)

では、モノが動くとどうなるでしょうか?

そのモノの作り出している空間の歪みが波紋のように周りに伝わっていきます。
これを“重力波”と言います。重力波は質量の大きなものほど、またモノが
速く動くほど、強くなります。例えば、中性子星やブラックホールが近い距離
で、お互いの周りを回りあっているような場合や非対称な超新星爆発が起きた
場合には強い重力波が発生します。

約100年前に、一般相対性理論で存在が予測されていたのですが、長い間検出
することができませんでしたが、ついに、2016年2月、世界で有数の検出感度
を持つアメリカの2ヶ所のレーザー干渉計型重力波観測所(LIGO)によって
世界で初めて重力波が検出されたと発表がありました(観測されたのは2015年
9月14日)。それから、現在までにいくつもの重力波検出が報告されています。

そして、いよいよ日本の重力波望遠鏡であるKAGRAも本格的な観測を開始
しました。望遠鏡と言っても地下に掘られたL字のトンネルにレーザー干渉計
を設置し、空間の歪みによる縞模様の変化を検出するものです。

初検出が成される日も待ち遠しいのですが、各国の重力波望遠鏡で同じ
重力波を捉えることができれば、それがどの方向から来たかも分かるので、
早くそういった成果が出るのを期待しています。

詳しくはこちらへ

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星の一生をみよう

2020-02-19 14:06:25 | 天文台情報

いよいよ今週末は「星の一生をみよう」です。

今回は、星が生まれている現場や若い星、年老いた星など、大きな望遠鏡
や双眼鏡を使って星の一生を追いかけていきます。

また、冬の星座解説もありますので、美しい冬の星空に触れてみたい方は
ぜご参加ください。


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 「星の一生をみよう」

  日 時 : 2月21日(金)~23日(日・祝) 19時30分~21時00分

  場 所 : 呉市かまがり天体観測館

  対 象 : どなたでも(申込不要)

  参加費 : 大人200円、小人100円

  問合せ : TEL  0823-66-0925

        E-mail info@kamaten.net

  ※ 雨天・曇天の場合は室内で宇宙の話をします。

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伝説の星をみよう

2020-02-14 14:07:44 | 星空の楽しみ方
冬は星空がとても賑やかな季節です。

オリオン座やおおいぬ座、おうし座など形の分かりやすい星座たち、
ベテルギウスやシリウス、アルデバランなど明るい星たちが空を飾り、
星空散歩を楽しむには抜群です。

そして、この季節には滅多に出会うことができない伝説の星があります。

この星はカノープスという名前で、「この星を見ることが出来たら、
長生きができる」という伝説を持っています。

なかなか見ることができない理由は低いところにあるから。

広島あたりでは、最も高く昇った時の高度が約3°ほど(目の高さを
基準に、腕を延ばしてみた時の指3本ほど)と、かなり低いところ
まで晴れていないと見えませんし、山や建物があるとすぐに隠されて
しまいます。見通しの良いところや高いところに昇って、探すのが
コツです。





およそ、おおいぬ座の前・後足を結んだ線を南に延ばしていけば、
カノープスへとたどりつきます。





長寿伝説は中国で寿老人の星(南極老人星)に例えられることに
由来するとされ、西洋ではトロイア戦争に登場する水先案内人を
指します(諸説あり)。

良く晴れた日、ぜひ伝説の星を探してみてください。

オリオン座が地面に対して、真っ直ぐに立っているような時間に
南の空の低いところを探してみましょう。ぽつんと赤っぽく輝く
星が見つかるかもしれません。

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