呉市かまがり天体観測館

呉市かまがり天体観測館のブログです。
イベントや星空情報等を掲載していきます。

火星に水は…

2017-11-30 14:48:14 | 天文ニュース

火星には様々な地形が見られ、季節変化を伴う場所も多く存在します。

その中で、気温の上昇に伴って急斜面にできる黒い筋は塩を含んだ
液体の水が流れた跡なのではないかと考えられてきました。
火星の表面近くにある氷や地下にある氷が暖かくなると溶けて地表に
染み出し、地表を流れていったものだと言うのです。

ところが、このような現象は急斜面だけに見られ、緩斜面や平地には
見られないものでした。もし、氷が解けて水が作ったものならば、
暖かい時期には他の地形にも水によって作られる地形の変化や現象が
見られてもいいはずです。

この問題を解決する1つの案がアメリアの宇宙地質学科学センターの
研究チームから提案されました。

黒い筋は「水が流れたのではなく、砂が流れたのだ」と言うのです。

黒い筋の長さと斜面の角度に関係性が見られること、斜度が27°以上
の斜面だけに見られることなどが理由です。

こう考えると、黒い筋が緩斜面には見られないことや火星の冷たく
薄い大気の下で液体の水は存在しにくいという従来の考え方に矛盾
することなく、この現象を説明できます。

ただ、まだメカニズムが分かっていない部分も残されているので、
これから研究が進むにつれて、本当に砂が流れたものだとする解釈
が正しいのかどうかが分かっていくことでしょう。



(画像:NASA/JPL-Caltech/UA/USGS)



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ISSをみよう

2017-11-25 13:18:40 | 星空情報

この1週間は夜に国際宇宙ステーション(ISS)を見るチャンスです。

確認しやすい日時を以下に挙げておきますので、ぜひISSの観察に
チャレンジしてみてください。
(高度20°以上のものを挙げていますので、これよりも低い高度での
通過であれば、他にもいくつかあります。)

見え方は、点滅しない明るい点が空の中を移動していきます。

広島での予報(11月25日~12月01日)は以下のとおりです。
※軌道の関係で多少変わる可能性もあります。

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11月26日 

 時間 : 18時38分~18時42分 

 方角 : 南西~西

 高度 : 10°~72°

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11月27日

 時間 : 17時46分~17時52分 

 方角 : 南南西~南東~東北東

 高度 : 12°~44°~18°

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11月28日

 時間 : 18時31分~18時34分 

 方角 : 西~北西~北北西

 高度 : 13°~29°~28°

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11月29日

 時間 : 17時38分~17時44分 

 方角 : 西南西~北西~北東

 高度 : 11°~60°~12°

-------------------------------------------------------------

12月01日

 時間 : 17時30分~17時35分

 方角 : 西~北西~北北東

 高度 : 10°~24°~13°

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新天体の形

2017-11-22 13:43:46 | 天文ニュース

今年の10月に太陽系外から飛来したと思われる天体が、史上初めて発見
され、話題となりました。

この天体にはハワイ語に由来する「'Oumuamua(A/2017 U1)」という
名前が付けられ、たくさんの望遠鏡で観測が進められています。

そして、最初の成果が科学誌「ネイチャー」に発表され、その変わった
特徴の一端が明らかにされました。

'Oumuamuaの形は長さ180~400m、幅40mと推定され、縦横の比率が10倍
も違う、太陽系内では見たことのない天体の形状をしていました。

また、この天体は別の恒星の周りで作られた小惑星と考えられ、宇宙空間
を長い期間にわたって旅している間にたくさんの放射線にさらされ、表面
が有機物や金属鉄、輝石に覆われているために、赤茶けた色に見えるので
はないかと考えられます。

今後も赤外線天文衛星スピッツァーやハッブル宇宙望遠鏡による観測が
予定されており、さらに'Oumuamuaの姿が暴かれるものと思います。



(画像:ESO/M. Cornmesser)


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近くに地球に似た惑星?!

2017-11-17 13:43:43 | 天文ニュース

地球からわずか11光年というとても近い場所に、地球に似たサイズで、
地球と似た温度環境にありそうな惑星が発見されました。

この惑星はRoss128という名の赤色矮星の周りを約10日で回っていて、
大きさは地球の1.4倍、温度は‐60℃~20℃くらいではないかと推定
されています。このくらいの温度環境であれば、水が液体で存在して
いる可能性があり、それが長期間維持されていたとすると、生命が
誕生し、進化していることも考えられます。

ただし、過去にはRoss128が激しい活動を示していたと思われ、その
時代に大気が吹き飛ばされたり、過酷な環境に生命が耐えられなかっ
たりしたことも考えられます。

この惑星のことをさらに詳しく知るためには、もっと大きな望遠鏡を
使って惑星の大気を調べるなどすることが必要となるので、現在、
計画されている次世代の望遠鏡の完成が待たれます。

なお、Ross128惑星系は現在太陽系に近付きつつあり、約8万年後
には地球から最も近くにある太陽系外惑星となります。



(画像:ESO/M. Commesser)


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しし座流星群(2017)

2017-11-16 13:54:42 | 星空情報

11月18日(土)に、しし座流星群がピークを迎えます。

今年は月明かりに邪魔されることなく、最高の条件で観察する
ことができます。しかも、ピークの時間帯も午前1時と予想
されていますので、こちらの条件も比較的良いです。

ただし、今年はあまり活発な活動を示さないのではないかと
考えれていますので、おそらく、1時間に数個程度の出現数
に留まるのではないかと思います。

過去には1時間に数千以上の出現を見せたこともある流星群
ですが、平年は10個/時間ほどの出現数ですので、あまり多く
の流星が見られる流星群ではありません。それでも今年は観察
の条件が良いので、観察にチャレンジされる方は、暖かい格好
をして、頑張ってみてください。

18日(土)の夜遅くから、19日(日)の朝にかけて観察する
のが良いでしょう。

流れ星はいつどこに出現するか分からない上、平均すると0.2秒
ほどで消えてしまいますので、楽な体勢で、なるべく空の広い
範囲をキョロキョロせずに探すことが大事です。

放射点のあるしし座の方向を見るよりも、頭の真上あたりを
中心に広い範囲をぼうっと眺めるのが良いでしょう。


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