“CR7”と聞いて、何をイメージしますか?
サッカーが大好きな僕は、CR7の愛称を持ち、ポルトガル代表のキャプテンで、
レアル・マドリードに所属する“背番号7番 クリスティアーノ・ロナウド選手”
のことをイメージしてしまいます。
今回、VLTという望遠鏡を使った観測から、宇宙初期の明るい銀河であるCR7が
発見されました。この天体には、長年にわたって天文学者たちが探し続けてきた
種族Ⅲの星が含まれていると考えられます。
宇宙ができたばかりの頃、宇宙には水素とヘリウムくらいしかありませんでした。
今、私たちの身体や周りのモノを作っている炭素、窒素、酸素、鉄、・・・など
は、星の中で作られたものです。水素、ヘリウムより重い元素を重元素と言います。
星が一生を過ごす中で、重元素が合成されます。そして、一生を終えると重元素
を宇宙空間に放出し、宇宙に溶け込んで、また次の星が作られる材料に使われて
いきます。つまり、星は世代を経ていくたびに、重元素の含有量が増えていくの
です。
種族Ⅲの星は重元素が全く含まれていない星のことです。つまり、宇宙の最初に
生まれた第一世代の星ということになります。
私たちの周りに、重元素が存在するということは、太陽や地球は、何世代も経て、
重元素が増えた後の材料が集まって作られたものなのです。
これまで種族Ⅲの星が存在している証拠は見つかっていませんでしたが、
このCR7を詳しく調べることで、第一世代の星がどんなものだったかを
知ることができるかもしれません。
ちなみに、CR7という名前は“COSMOS Redshift 7”の略で、COSMOS領域にある
赤方偏移7の天体という意味があります。クリスティアーノ・ロナウド選手の
愛称にインスパイアされて名付けられたそうです。
(画像:ESO/M. Kornmesser)