呉市かまがり天体観測館

呉市かまがり天体観測館のブログです。
イベントや星空情報等を掲載していきます。

月と金星が大接近!(金星食)

2023-03-23 13:23:33 | 星空情報

3月24日(金)の夜に空の中で月と金星が大接近します。

今回は午後8時30分頃で考えると、0.5°ほどの距離に近付いています。
満月の大きさが約0.5°ですので、、かなり近いといえます。

時間が経つにつれて、さらに月と金星は接近していきますが、高度が
徐々に下がっていき、最後には沈んでしまいますので最接近まで観る
ことはできません。

現在、金星は-4等で、宵の明星として圧倒的な明るさで輝いています。
さらに、双眼鏡を使えば、同一視野の中に両方の天体をおさめることが
できるでしょう。

午後8時30分の位置は、西の空(やや北より)、高度約8°に見えます。
ここはちょうどおひつじ座のあたりです。

また、鹿児島や沖縄などでは、月が金星を隠す「金星食」が起きますので、
Web上でのライブ中継等をご覧いただくのも面白いと思います。

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春分の日(2023)

2023-03-19 11:33:30 | 星空情報

2023年は3月21日が春分の日です。

春分とは二十四節気の1つで、しばらくの間は3月20日か3月21日です。
※清明(4月5日頃)までの期間のことを指す時もあります。

この日は昼夜の長さがほぼ同じになりますが、日の出、日の入りの決め方と、
大気による屈折の影響により、実際には、夜よりも昼の方が長くなります。
また、春分の日には、太陽は真東から昇って真西に沈みます。

天文学では、太陽が春分点と呼ばれる場所を通過する瞬間を春分と定義しています。
春分点とは、地球の赤道(面)を空まで伸ばしていった「天の赤道」と、空の中を
一年かけて太陽が動いていく通り道である「黄道」が重なっている2点のうち、
太陽が南半球側から北半球側に移る点(昇交点)のことです。

さらに、春分点は天文学ではとっても重要で、星の位置の基準の1つになっています。
空にも地球で言う緯度・経度のようなものがあり、緯度に当たるものを赤緯、経度に
あたるものを赤経といいます。これが星の住所になっているわけです。

緯度と赤緯は赤道(天の赤道)を基準としています。一方、経度はロンドンにある
旧グリニッジ天文台を通る子午線(測地系によってちょっと違います)、赤経は
春分点を通る子午線を基準にしています。

ところが、この春分点は約26,000年の周期で動いています(歳差運動)。
このため、同じ住所でもそこにある星が違うというようなことが起きてしまいます。
つまり、時代によって「北極星」と呼ばれる星が変わってしまうのです。
例えば、これから1万年くらい経つと、こと座のベガ(織姫)が北極星となります。
もちろん、天文学では住所が変わっても困らない方法がちゃんと確立しています。

ちょっと特別な一日をぜひ自分なりに楽しんでください。
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第5回「日本天文遺産」が決定!

2023-03-18 13:35:24 | 天文ニュース
天文・宇宙に関わる貴重な史料の保護などを目的に設けられた「日本天文遺産」の第5回が
決まりました。

認定されたのは、「大阪市立電気科学館プラネタリウム」、「仁科型電離箱」の2つです。

「大阪市立電気科学館プラネタリウム」は、1937年に日本で最初に設置されたプラネタリウム
(カールツァイスII型モデル;第25号機)です。1989年までの52年間で延べ1100万人が観賞し、
各地のプラネタリウム館の設置を促したことや国産プラネタリウムの誕生・発展の刺激になった
等、戦前戦後を通じて昭和の天文教育普及の黎明期に多大な貢献をしたことから認定されました。

「仁科型電離箱」は、1935年に設計・製作(理化学研究所・仁科芳雄研究室)が始まった宇宙線
検出器で、1936年の北海道皆既日食で最初の観測が行われました。1942年には数時間にわたる
宇宙線の異常増加(太陽フレア起源)を複数個所で捉えるなど、1990年代までの数十年にわたり
宇宙線の連続観測のすぐれたデータを提供し続け、宇宙線の研究に大きな貢献をしました。この
ように日本の原子核・素粒子宇宙実験の黎明期を支え発展させた歴史的な実験装置であることから、
現存する複数台のうち、誕生の地である理化学研究所にあり、唯一保存公開されている2号機が、
次世代に伝えるべき文化的遺産としては最も適切であるとして、日本天文遺産に認定されました。

日本各地には貴重な天文史料・史跡が数多く残されているにも関わらず、そのほとんどは
貴重なものだと誰にも気付かれずに朽ち果てようとしています。よく分からない標や石積、
柱、やたらと長い直線道路などなど、一見関係のなさそうなものが凄い史料だったりします。

もしかすると、皆さんの家のそばにもひっそりと天文遺産が眠っているかもしれません。

消えてしまう前に何とかしたいものですね。
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GLOBE at Night(オリオン座/ふたご座)

2023-03-17 14:40:10 | 天文ニュース

3月13日(月)~3月22日(水)までGLOBE at Night というキャンペーンが行われています。

これは光害(ひかりがい) の問題を啓発する活動の一環で、決められた日時に夜空を
観察し、星の見え方をインターネットで報告するものです。

光害とは無駄・過剰な人工光によって、星が見えにくくなってしまうことやエネルギー
の浪費、生態系への悪影響、人々の生活・健康への悪影響が発生してしまう問題です。

用意された観察シートに記入するだけなので、誰でも簡単に参加することができます
ので、ぜひ、自分たちが住んでいる街の環境をチェックしてみてください。これから
しばらくは月明かりにほとんど邪魔されずに観察ができますので、今がチャンスです。

ちなみに、今回はオリオン座とふたご座が対象です。

詳しくはこちらへ

近年は人工の光(看板や外灯、ネオンサイン等)が空に漏れているせいで、星が見え
にくくなっています。空に無駄な光が漏れているわけですから、エネルギーも無駄に
なっています。光害の問題が解決できれば、美しい星空を守れるだけでなく、エネル
ギー問題や温暖化問題の解決にも役立つかもしれません。

「電気を付けるな!」とはもちろん言いません(言えません)が、みなさんも、ぜひ
光害を減らす工夫をしてみてください。

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ISSをみよう

2023-03-11 13:28:15 | 星空情報

これから1週間ほどは夜に国際宇宙ステーション(ISS)を見るチャンスです。

確認しやすい日時を以下に挙げておきますので、ぜひISSの観察に
チャレンジしてみてください。
(高度20°以上のものを挙げていますので、これよりも低い高度での
通過であれば、他にもいくつかあります。)

見え方は、点滅しない明るい点が空の中を移動していきます。

広島での予報(03月11日~03月20日)は以下のとおりです。
※軌道の関係で多少変わる可能性もあります。

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03月15日

 時間 : 19時37分~19時42分 

 方角 : 南西~北西~北東

 高度 : 10°~85°~48°

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03月16日

 時間 : 18時50分~18時57分 

 方角 : 南南西~南東~東北東

 高度 : 10°~47°~10°

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03月17日

 時間 : 19時39分~19時45分 

 方角 : 西~北西~北北東

 高度 : 10°~26°~12°

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03月18日

 時間 : 18時51分~18時58分 

 方角 : 西南西~北西~北東

 高度 : 10°~45°~10°

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