ブラックホール(BH)は、大きな恒星(太陽の数十倍以上の質量)が一生を
終えた後にできるものです。終末を迎えた恒星が超新星爆発を起こし、誕生
するものだと考えられてきました。
ところが、この度なされた研究で、超新星爆発を起こさずにBHを作り上げる
恒星があるらしいことが分かりました。
ケフェウス座にある渦巻銀河の中の星を長期間にわたり何度も観測したところ、
数か月間にわたり明るく輝いたものの爆発を起こさずに消滅しました。さらに、
色々な種類の望遠鏡で観測を進めた結果、単にその恒星が暗くなったり、塵に
隠されたのではなく、恒星そのものが無くなったこと、そして、そこにBHが
できたと思われることが結論付けられました。
これまで、大きな恒星の数の割には、観測される超新星爆発の数が少ない
という謎があったのですが、それを解決するきっかけになる発見です。
また1つ、宇宙の解明に近付きました。
ハッブル宇宙望遠鏡で捉えた画像
(画像:NASA/ESA/C. Kochanek(OSU))