呉市かまがり天体観測館

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最初の星の痕跡!?

2016-01-15 14:18:17 | 天文ニュース
私たち自身や身の周りの物は、炭素、窒素、酸素、鉄、…などの様々な元素で
できています。ですが、宇宙ができたばかりの頃、宇宙には水素とヘリウム
くらいしかありませんでした。つまり、宇宙には現在あるようなモノを作って
いる材料がなかったんですね。

では、これらの元素はどこから来たのでしょうか?

それは、星の中で作られたのです。

水素とヘリウムの雲から誕生した星たちがその一生を過ごす中で、水素やヘリウム
よりも重たい元素(重元素)を作っていきました。そして、一生を終えると重元素
を宇宙空間に放出します。これが繰り返し行われ、宇宙にはだんだんと重元素が
増えていったわけです。
私たちの周りに、重元素が存在するということは、太陽や地球は、何世代も経て、
重元素が増えた後の材料が集まって作られたものなのです。

ということは、もし、宇宙の初期に誕生した星が、今も生き続けているとしたら、
重元素を全く含まない星が存在するということになります。これを種族Ⅲの星とか
第一世代の星とか言います。このタイプの星は天文学者たちの努力にも関わらず、
未だ見つかっていませんでした。

が、遠くにある古い星雲の1つを観測したところ、重元素の割合が太陽の
1/1000以下だということが分かり、第一世代の星の痕跡を残しているかも
しれないとして、注目されています。

1世代とまではいかないまでも、1.5世代くらいまで迫れるかもしれません。


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