1974年の今日、5月4日、日本人女性登山隊がヒマラヤ山脈のマナスル(8,163m)の登頂に成功しました。
マナスルの初登頂は1956年5月9日、槇有恒を隊長とする日本山岳会隊の今西壽雄、シェルパのギャルチェン・ノルブが果たしました。写真は2006年10月、標高1,620mのバグルンパニテント場から見たマナスル三山。左の鋭鋒がマナスル、の右(南)に位置するP29(7,871m)、ヒマルチュリ(7,893m)でいずれも日本隊が初登頂を果たした山です。
2006年は初登頂からちょうど50年目にあたり、当時の登頂隊員・今西寿雄氏は日本山岳会関西支部長、会長を歴任された登山家でした。その記念行事に二人で参加した時の写真です。
初登頂から18年後、女性によるマナスル登頂も日本隊、しかも8,000m峰の女性の登頂は世界初の快挙でした。
写真の「遠征隊公式報告書」によると、5月4日午前8時30分、最終キャンプのC5を内田隊員とシェルパのジャンプーが出発、後発の中世古登攀隊長、森隊員と合流して17時半に4人が頂上に立っています。この女性隊の目的は「女性による世界で最初の8000m峰登頂」の他に、女性の高所医学、ネパールの教育実態調査、現地女性の生活調査などの学術研究でもそれぞれ素晴らしい成果を挙げられています。
これは上の報告書のカバー。この貴重な書籍は初登頂者の内田昌子さんから頂いた私達の宝物です。
内田さんは登攀隊員だけでなく会計係として煩雑な金銭関係の仕事を処理され、またこの報告書の編集者としても素晴らしい手腕を発揮されました。後にご縁があって内田さんご夫妻と何度か、ご一緒に山行をすることができました。私たち夫婦にとっては、これらの山行は生涯忘れられない大事な思い出になっています。