紺屋町は豊臣秀長が郡山城主だった時代に始まった、藍染めを職業とする人々が住んでいた職人町です。
町の中央を幅1メートルほどの紺屋川が流れています。東西209mの間に150軒近い家屋が軒を連ね、13軒の紺屋がこの水路で染め上げた布や糸をさらしていました。
その様子を今に伝える箱本館「紺屋」さんを訪ねました。
江戸後期の元藍染屋「柳宗」の建物です。「箱本」とは町中の自治組織のこと。治安、消火、伝馬などの任務を課せられる代わりに地子(土地に対する課税)を免除されていました。ここ紺屋町を含め「内町十三町」で始まりました。
入館するとまず大きな藍ガメが目につきます。
復元された「染め場」
同じく復元された「くど」(かまど)。この土間を通り抜けると奥に藍染工房があり、藍染めの体験もできます。
土間から「図書コーナー」を見たところ。座敷にあげて頂きました。
染織の道具や染め糸の見本など、藍染めに関する多くの資料が展示されています。
染織に関する資料を集めた図書コーナー。
その奥の枯山水のお庭です
「紺屋」のもう一つの見どころは「金魚コレクション」です。大和郡山の名産「金魚」をデザインした古今の美術工芸品を展示しています。
これは「帯留」
江戸時代の「印籠」。最初は印鑑を入れていましたが、主に薬などを入れるのに使われた携帯用の容器です。
印籠を帯に留めるための小さな飾りが根付です。
根付(上の段)は印籠以外にも矢立や煙草入れにも使われて、ごくごく小さいものに細かい彫刻を施した日本独自の工芸美術品として発展しました。「昔の携帯ストラップ」といううまい説明がありました。下の段は刀の鍔(ツバ)。
細かいといえば、この留め金具。とても可愛い金魚です。
七宝焼や赤膚焼の壺。もちろん絵柄は金魚です。
「景秦藍魚瓶」約400年前の金魚瓶という説明がありました。
中を除くとこの通り…。このコレクションは適宜、入れ替えられて展示されています。