ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

竜王山(天理)2012.01.07

2012-01-08 09:55:57 | 山日記

「辰」年である。低迷を続ける景気も、なんとか雲上に駆け登る竜のように上昇して欲しいものだ。♀ペンの当たり年でもある。性格占いでは基本的には「スケールの大きい何事にも前向きな人」だから、変愚院の些細なことには拘らず、おおらかに笑って許してください。さて前の辰年(2000年)には毎月「龍」の字のつく山に登った。「龍」は、日本では古くから「水を司る神」として民間信仰の対象となっている。そのため「龍(竜)」の字のつく山は全国にあって、ほとんどが山麓の農村の貴重な水源となっている。今日は近くの天理市にある「竜王山」に登る。

山に入る前に、天理市の天理教本部で行われている「お節会」でお雑煮を頂きました。これは毎年、正月三が日神前に供えた鏡餅を雑煮にして、1月5日から7日まで振る舞われる行事です。天理市に入ると、何か所もある臨時駐車場から下りたひとたちが、続々と会場へ向かっています。信者でない私たちですが、ご近所の人から頂いた節会のチケットで会場へ入ります。(これは奉仕の人たちが切り分けられたお餅を焼いているところ。帰りに撮影しました)

三日間で10万人近くの人が訪れる予想で、用意される餅は40数トン。美味しい澄まし汁に水菜を添えて頂きます。お出汁やお餅、水菜はお代わり自由。奉仕するのは天理高校の生徒さんが中心ですが、とても礼儀正しく笑顔で接してくれます。5個もお餅を頂いて、満腹して山へ向かいます。

「干支の山」、おまけに土曜日なので、車を置く余地があるか心配していた長岳寺の駐車場は意外にもよく空いていて一安心。11時15分、山門をくぐってすぐに左の舗装路に下りて山に向かいます。左手に続く柿畑が終わると平坦な道になり、振り返ると二上山のシルエットがくっきりと見えました。山門から800m、舗装が切れるところに小さなお地蔵さんがあり、ここからが山道です。すぐ先で、右の古墳群の方へ下る道は荒れているためか、太い竹を横倒しに何段か積んで通れないようにしてあります。新しい「あるく奈良」の標識が頂上へ2.3kmを告げています。女性二人が竹の上に腰を下ろしてお弁当を食べていました。

砂袋を積んだ掘割状の道、落ち葉に埋もれて滑りやすい急坂、木の階段道などが交互に現れます。岩盤の露出したところも何か所かありますが、ここが一番急でロープが張ってあります。

さらに短いが急な坂道を登りきるとお不動さんと小さい石仏が並んでいます。ここがほぼ中間点です。
ちょうど正午のサイレンが遠く下の方から聞こえてきました。 ここからは、しばらく雑木林の中の平坦な道を行きます。今日始めて出会った単独の女性に、「頂上は混んでますか?」と尋ねると、「凄いすごい。さすが辰年で団体で満員ですよ。」という答えが返ってきてがっかり。ちょっと登って、また平坦な植林帯の尾根を行くと長岳寺奥ノ院へ下る道が分岐します。最後の登りになり、断続的に400段ほどの階段登り。 このあと断続的に4パーティ、合計20人以上の人が下ってくるのに出会いました。最後はなだらかに登って天理ダムからの道にでました。

今日は右手の山道に入り、柳本竜神社にお参りします。静かな道を落ち葉を踏んでいくと、まもなく東廻りの道に合流、ひと登りで山頂直下の台地に出ました。人声が聞こえないので不審に思っていると…

なんと頂上には全く人影がありませんでした。
展望図付の案内板が新しくなっていて、下の図はこの山頂から瀬戸内海が見えるという写真です。

写真右端の二上山の更に右に「ボンヤリ白い瀬戸大橋が見える!」 と♀ペンは言うのですが、視力の弱い変愚院には「そういえば見えるような気がする」といえる程度です。
しかし、西側正面に金剛、葛城から二上山に続く山並み。その下の大和盆地に島のように浮かぶ大和三山、箸墓、景行陵、崇神陵などの古墳群と素晴らしい展望を独占できました。

こちらは北側の展望。左端奥の山肌がむき出しになっているところが若草山、右へ大文字山、高円山へと続いています。中央より少し右奥に見える山は神野山。写真では分かり難いですが、満足できる眺望でした。

上の写真と同じ方向です。三角点は二等618.8m。
ベンチに腰を降ろしてコーヒータイムにしましたが、あまりに風が冷たく身体が冷えてきたので、カップを持ったまま一段下の台地に下りて、木の陰で風を避けてコーヒーを飲み終えるとすぐに下山にかかりました。頂上滞在15分(12時45分~13時)でした。

歩き出してすぐ、登ってくるご夫婦に会い、そのあとも合計6人に出会いました。やはり人気のある山です。落ち葉で滑りやすい道で気を遣いましたが、やはり下りは早く14時05分、長岳寺に帰りました。二人とも非常に快調で、短い時間ながら満足できる山歩きでした。