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ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

四阿山に登りました (8月7日)

2009-08-10 13:38:10 | 山日記
【コースタイム】菅平牧場駐車場07:35…登山口07:40…沢を渡る08:00…
小四阿(1917.2m)08:55~09:05…中四阿(2106m)09:50…四阿高原道との合流点
10:20~10:30…四阿山11:10~11:20…中尾根分岐(2300m)11:30…根子岳
13:20~13:25…牧場駐車場14:55

1961年に須坂にあるTさんの実家から菅平・裏ダボスにスキーに行った。



 このときの写真を見ると、二つの山は殆ど同じ高さに仲良く並んでいる。
50年近く経っての再訪は、雨雲が低く垂れ込めて山は姿を見せない。
 トレーニング着姿の若者で賑わう賑やかな町の中心を抜けて、夢ノ原の
ペンション村に向かい、いくつもの枝道がある広い二車線の道を走る。
急に稲光とともに轟音がして、ランニング中の留学生らしい若者が耳を押さ
えてしゃがみ込んだ。
 シラカバと花に囲まれたペンションに着くや激しい雨が降り出し、オーナー
が「危機一髪でしたね」と笑って迎えてくれた。

 雨は一晩中、断続的に続き、長野市では一時、大雨洪水警報がでていた。
朝になって雨は止んだが、雲は低い。早めにしてもらってあった朝食をとり
ながらも迷っていたが、思い切って出発する。

 四阿山へは鳥居峠から、四阿高原から、菅平牧場からの三つの登山コース
があるが、牧場からの中尾根登山道を登ることにする。
晴れていれば北アルプスの山並みも見える展望コースである。
 ゴルフ場を過ぎると真っ直ぐな道が山に向かっている。料金所には「ただいま
留守にしています。入山料は帰りに支払って下さい」と書いた札が下がっていた。
さらに先に進み、牧場の管理事務所下の駐車場に車を入れる。
この天候だが数台の車が停まっていた。隣の姫路ナンバーの車から夫婦連れが
降りてきて、挨拶を交わす。昨日は黒斑山に登り、今日は草津温泉泊まりと
聞いたから、おそらく定年後の百名山巡りと思われる。
身支度されている間に「お先に」と声をかけて出発。

 大きな看板があり、直進すると下山時使う根子岳からの道になる。
右に折れて両側に広々とした緑の草原が拡がる牧場の中を行く。



 足元にはキキョウがたくさん咲いている。ウシやウマの散らばる牧場の
柵沿いにコオニユリの花が美しい。



 5分ほど歩くと登山口の看板があり、左に折れて山道に入る。
しばらくは牧場の柵沿いに緩く登っていく。アザミやアキノキリンソウ、
ヤマオダマキの花などの写真を撮りながら行く。
午後の天気が心配で早く登りたい一方、帰りにはカメラを出せないかも
知れないので複雑な気持ちだ。



歩き出して20分ほどで牧場を離れ、木橋で沢を渡るといよいよ本格的な
登りになる。
 雨はまだ落ちないがガスが去来して、木々の姿がおぼろに霞んでいる。
背の高いシシウドの白やマルバタケブキの黄がぼんやりと薄暗がりに浮かび
上がる。湿気が高く額から汗が滴るので、キャップをタオルの鉢巻きに替える。



沢を渡って1時間足らずだが、小四阿へのこの登りが今回の山行で一番
しんどかった。



小四阿の標識で休んでいると姫路のご夫婦が登ってきて、立ち話のあと
立ち休みしながら行きます」と先発された。
ここから勾配が緩んで快調に登る。林が切れると鉄分の多そうな赤い土に
黒い岩が散らばる砂礫地になる。色とりどりの花が咲いている。



ハクサンオミナエシ、ミヤマアキノキリンソウ、トモエシオガマ、
コバノイチヤクソウ、ヒメシャジン、イブキジャコウソウ…
去年夏のカムチャッカ最終日、ガスの中でのフラワートレッキングと同じ
感じで、時間を忘れてシャッターを押しまくる。
 再び傾斜が強まり笹原の中を登り切ると顕著な岩の高みがある。
ピークの右側を捲いていくと急な下りになり、暗い林の中に入る。ちょっと
気になるくらい下った所に標識があった。気付かずに通り過ぎた中四阿は、
先程のピークがそうだったらしい。

 少し急な登りに変わったとき、飛ぶように下ってくる青年に出会う。
ものの数分で「四阿山に行くつもりでした」と引き返して登っていった。
「若い人は元気やなあ」と羨ましく思いながらゆっくり登る。



四阿高原への指導標がある、かなり広い場所にでた。
ガスが出てきて地形が分かり難く、先の青年はここで反対方向に行ったらしい。
ちょっと道が入り乱れるが、一番踏まれている道を選んで行く。



長い木の階段道が現れた。
右から別の階段が合流し、これは鳥居峠の方に行く道らしい。
登り切って少し笹原の中を行くと稜線のT字路に出た。左は根子岳、
右の四阿山へは700mとある。

 ほぼ水平な道を行き、やや登りになると石祠を囲む銅板葺き建物があった。
姫路の方が食事中で「天気が怪しいので根子岳は諦めます」と言われた。
確かにポツポツと雨滴が落ちてきている。しかし、私たちは予定通り根子岳にも
登っておこうと思う。山頂はその先で、途中にもう一つ石祠がある。



岩が積み重なって城塞のような山頂には、古びた祠の下にこれも古びた指導標が
立っていた。
反対側からきた男性に記念写真を撮って貰う。
連れの男性は小さな羽虫の群れに「これは敵わん」と祠の裏の岩場に場所を変える。
一緒に行くと、そこには単独行の男性と女性4人組がいた。言葉を交わし先を急ぐ。
朝、しっかり食べたので昼食はもう少し先にしよう。
全く無展望の山頂滞在は10分にもならなかった。