ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

目からウロコの百名山

2006-12-14 09:52:21 | 読書日記
「百名山」はあまり好きではありません。確かに、日本の代表的な山
が美しい文章で綴られた、深田久弥氏の「日本百名山」は私たち登山
者にとって大きな指標となってきました。しかし、その後の「百名山
ブーム」で、我も我もとツァー客が押し寄せる状況に、何となく足が
遠のきました。特に荒島岳に登ったとき、前夜泊まったヒュッテで
ご主人の嘆きを聞き、実際に荒廃した登山路の状況を見てからという
もの、ますます興味をなくしました。
 ところがこの本を読んで、こんな「百名山への接し方」もあったのか
と目から鱗が落ちた思いがしました。
 

この本の他の「百名山もの」と違うところ=著者・米倉さんの百名山の登り方は…

1.二年間で登る。
2.若い頃に登った山も含めて、百名山の全てに登る。
3.すでに登った山はできれば別のルートから登る。

というところです。
1.は当然、全てのシーズンで毎週のように続けなければ達成できませんし、
2.は、殆どの人が「かって登り残した山」を塗りつぶすことで、百名山
達成としていることを思うと非常に素晴らしいことです。
さらに3からは、「自ら進んでより困難を求める」アルピニズム精神がひし
ひしと感じられます。

「それぞれの百名山を持てばいいという人がいる。その通りである。しかし、
そのためには登ってみなければならない」という後書きの中の言葉は、まさに
その通りだと思います。他人の推薦で「新百名山」を選んでいるような方には
さぞかし耳の痛い言葉でありましょう。