じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

池井戸潤「セールストーク」

2022-09-09 15:53:47 | Weblog

★ 商工会議所やグーグルビジネスの情報から、最近妙な営業電話が増えてきた。「不用品買取」や太陽光発電の営業も後を絶たない。即着信拒否にするのだが、数打ちゃ当たるの営業か。

★ 個人企業を経営していると恐ろしいのは月末の支払いだ。必要経費に公租公課。クレジットカードは時間差があったり、モノによって少しは待ってもらえるが、いつまでも放置はできない。うちのような極小企業でも資金繰りは厳しいから、中小企業のレベルになると尚更だ。社長さんの胃も痛むことだろう。

★ さて、今日は池井戸潤さんの「かばん屋の相続」(文春文庫)から「セールストーク」を読んだ。

★ ある印刷屋。今は2代目があとを継いでいるが最近は赤字続き。月末までに3000万円を用意しなければ、不渡りを出して倒産だ。頼りはメインバンク、しかし、融資依頼の結論は「見送り」。融資課長がその知らせを伝える場面から物語は始まる。

★ もはや修羅場でもなく、冷え切った舞台。応援してきた融資課長とはいえ、「与信回収」という銀行の方針に逆らうことはできない。見捨てることに心の痛みを感じながら。

★ そして月末。印刷屋は5000万円の資金繰りができたという。不思議に思った融資課長は、そのからくりを突き止める。

★ 銀行もまた商売。優良企業に融資をして利潤を稼ぐ。当然、企業の健全性を見抜く目が勝負となるし、内部の審査も厳しい。ところで、融資課長のセールストークは「うちが貸せないときは、どこの銀行さんでも貸せません」とのこと。

★ 銀行といえばドラマ「半沢直樹」。大和田常務の姿を当分見れないと思うと残念だ。

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