塵埃日記

つれづれなるままに、日々のよしなしごとなど。

仙台駅前さくら野百貨店閉店

2017年03月01日 | 仙台
  
我が町の百貨店が長い歴史に幕…そんなニュースがしばしば報じられる昨今ですが、その残念な話題が仙台駅前にも及んできました。創業70年を迎えた仙台駅西口の「さくら野百貨店」が破産・閉店したというのです。

私の年代以上の人には、「丸光」といった方がピンとくるかもしれません。2002年に「さくら野」と改名してから十数年、順調とはいえないまでも経営はなんとか持ちこたえてると思っていただけに、突然の破産には驚きです。

仙台には、七夕祭りの会場でもある長いアーケード商店街があります。正確にはいくつかの商店会に分かれているのですが、地元ではたいがいひっくるめて「一番町」と呼んでいます。その両端付近にさくら野と仙台三越があり、T字に折れる中間地点にはもう1つ「藤崎」というデパートがあります。仙台で百貨店というと、だいたいこの3つがまず想起されるのですが、個人的なイメージとしては、藤崎が高級路線、三越は高齢層向け(気を悪くされたらすみません^^;)、そしてさくら野は庶民的といった感じです。

つまり、百貨店同士の関係でいえば、うまいこと住み分けができていたように思うのです。ただ、こと仙台駅前となると、たしかに近年は再開発や店舗の入れ替えが進んでいるように感じていました。東京で見慣れた看板が駅前や一番町界隈にも並ぶようになり、「安くてそこそこ」を求める層の獲得競争が、もっともシビアなエリアとなっているように見受けられます。

とはいえ、勝った負けたは世の常で、閉店自体は時代の流れとて仕方のないことなのかもしれません。ただ、今回のさくら野の場合は、どうやら店の閉め方に問題があったようです。

閉店というよりも、「その日、店は開かなかった」というのが正しいようで、何も知らずに訪れた客が入り口に貼り出された「閉店のお知らせ」を目にして驚くという事態になっていたそうです。地元紙には、突然の破産申請に対する債権者や商店関係者の憤りを伝える記事が掲載されています。

地元のお客さんに囲まれながら、従業員が並んで深々と頭を下げる前をシャッターがおりていく。本来ならば、そんな風に惜しまれながら最後の日を迎えてもらいたかったところですが、そうはならなかったということで、残念というか他県の人たちに対して恥ずかしいというか。地元の老舗が有終の美を飾り損ねたというのは、なんとも歯がゆさを覚えます。

一番町の様変わりも気になる今日この頃に、ちょっとこの先が思いやられるニュースでした。