見もの・読みもの日記

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サハリン旅行2015【4日日】再び、ユジノサハリンスク

2015-08-13 20:43:03 | ■アジア(中国以外)
朝8時過ぎ、寝台列車はユジノサハリンスクに着いた。ガガーリンホテルに戻って朝食をとり、隣接するガガーリン公園を散策する。日本統治時代は豊原公園と呼ばれており、「王子ヶ池」と刻まれた石碑や祠の基壇などが残る。また、鉄道学校の生徒たちが運営する「子供鉄道」が約12分で園内をめぐっているが、まだ営業時間前だったので、乗車はできず。↓写真は、恐竜の骨格のかたちをした、本のリサイクルボックス。読み終えた本を持ち寄って、交換するためのもの。



この日も日本統治時代の痕跡を訪ねてまわる。市東部の丘陵の中腹には、かつて樺太唯一の官幣大社・樺太神社があった。神社本殿のあったところには、公務員の別荘(とガイドさんが言っていた)が建ち、現在は個人所有の邸宅となっている。フェンスの中に「奉献」の文字のある石標が残り、フェンスの外にコンクリートで校倉造を模した宝物蔵らしきものが残っている。公園の中にある参道は、最近きれいに整備されて、往時の面影はなくなってしまった。

ほかにも樺太庁豊原病院、樺太守備隊司令官邸(樺太庁博物館旧庁舎)などを見学。最も保存状態がよかったのは、北海道拓殖銀行豊原支店↓。裏側に継ぎ足し増築されて、サハリン州立美術館に使われている。



1階は全ての窓に防犯用の鉄格子が嵌まっており、建物外観そのままの飾り板がついているのがオシャレ。ガイドさんが「日本時代の建物は窓が縦長です」と言っていたが、確かにそういうデザインが多い。当時の流行だろうか。設計は、国会議事堂も手がけた矢橋賢吉(やはし けんきち)と思われる。



ビジネスマンでにぎわう町の食堂で昼食。小さな鉄道歴史博物館で、館長の熱心な説明をガイドさんの通訳で聞く。日本統治時代の橋などを見て、あとはお買い物タイム。自由市場に連れていってもらったので、近くにあるはずの「ゴロヴニン像」を見たい、とガイドさんにお願いする。旅行会社から貰った観光地図に載っていたのを、現地に来てから見つけたのだ。ガイドさんは不思議そうな顔をして「むかしのロシア海軍の軍人ですけど、日本とは何も関係ありませんよ」という。いやいや、ヴァシリー・ミハイロヴィチ・ゴロヴニン(ゴローニン)は、千島列島を測量中に松前奉行の役人に捕縛され、2年3か月、日本に抑留されて『日本幽囚記』を書いた人物。私は松前で、ゴロヴニン幽閉の地を訪ねたこともある。ガイドのオリガさんは日本統治時代の樺太には詳しいが、それ以外の時代はよく知らないのかもしれない。



自由市場には、常設店舗のほか、野菜や果物、ベリー、きのこ、搾りたての牛乳などをちょっとだけ自家用車に積んできて、小さなお店を構える素人店主がたくさんいて、楽しかった。



最後に郊外の巨大なショッピングセンターでお土産を調達。無難そうなチョコレートを爆買いし、ペットボトル入りの「間宮林蔵ビール」は夕食後に三人で消費した。

(8/18記)

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