見もの・読みもの日記

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中高年のひそかな愉しみ/パフェログ(越龍子)

2016-11-16 21:33:41 | 読んだもの(書籍)
○越龍子編集『パフェログ:目で味わう、舌で愛でる至福のパフェ・アーカイヴ』(ORANGE PAGE MOOK) オレンジページ 2016.9

 若いころは、特にパフェに関心はなく、むしろ安いアイスクリームを毎日食べるほうが嬉しかった。ところが中高年になったら、芸術品みたいに美しくて美味しいパフェが、たまにむしょうに食べたくなって、喫茶店を探し歩くことがある。チェーン店のカフェにもパフェに近いメニューはあるけど、なんとなく物足りない。パフェは、やっぱり時間をかけて手作りしてくれるところに味があるのだ。

 本書は(当たり前だが)全てカラー写真で、30軒余のお店のパフェを紹介。全国の、と言いたいが、よく見たら東京に限られているのは、ちょっと残念。「フルーツパーラーのパフェ」「喫茶店のパフェ」「洋菓子店のパフェ」「チェーン店のパフェ」にカテゴリー分けされている。いちばん写真映えがして美しいのは「フルーツパーラーのパフェ」だが、これは一生に数回、食べられたらいいかなあ。バッスルスタイルのドレスを着てみないかと迫られるようなもので、興味はあるが、ちょっと勇気が出ない。銀座千疋屋も渋谷西村フルーツパーラーもお高そうだし。なんとか射程内と思うのは、比較的おとなしい盛り付けのフルーツパーラーゴトー(浅草)くらいだ。

 私のパフェのイメージにいちばんフィットするのは「喫茶店のパフェ」である。バニラアイスクリームの黄味がかった白と、絞り出された生クリームの純白の対比が懐かしさをそそる。パーラーキムラヤ(新橋)のマロンパフェ、美味しそう。でも新橋って、サラリーマンの町なのに。アンヂェラス(浅草)のフルーツパフェ、イノダコーヒ(東京大丸支店)のチョコレートパフェも覚えておこう。マホガニーのテーブル、革張りのソファみたいなクラッシックな喫茶店で、こういうパフェを食べるのが大人の愉しみなのである。

 おまけで、プリンアラモードの紹介ページもあり。このお子様ランチにも通じる、おもちゃ箱的な小宇宙の華やかさは、大人には似合わないだろう。こちらは子供時代だけの特権的な楽しみだと思う。

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