■西国第二番 紀三井山金剛宝寺(紀三井寺)(和歌山県和歌山市)
12:00過ぎに和歌山県立博物館を出て、路線バスで紀三井寺に直行。長い石段を登っていると、境内に放送が流れた。大光明殿(文化財収蔵庫)特別公開のお知らせだった。事前にホームページを見て、2012年7月6日から12月21日まで、毎週金曜日に公開が行われているのは知っていたが、この日は土曜日にもかかわらず「特別に」公開するという。ただし、時間が決まっていて、次回は13:30から。うーん、このあと、粉河寺へも回りたかったので悩んだが、結局、境内の茶店で昼食代わりのお汁粉をすすりながら、しばし開扉を待つ。
時間になると、拝観申し込み(400円)をした15人ほどが、本堂の奥に招き入れられた。前回、2008年のご開帳時もここに入った。中央の二つのお厨子の前には、両界曼荼羅(?)が懸っていた。今回、拝観できるのは、向かって左の毘沙門天立像と帝釈天立像、右の梵天立像と十一面観世音菩薩立像。毘沙門天がやや小ぶりで、あとの三体は等身大ほどである。帝釈天と梵天は、天部と伝えられるが、菩薩像の体裁。華やかな技巧を凝らし、彩色の跡も残る帝釈天像は、優秀な仏師の作と考えられる。一方の梵天立像は、「山の上のお堂にありそうな」素朴な、しかし威厳を感じさせる像容で「修行を積んだ高僧の作ではないか」というお坊さんの解説が面白かった。板光背を背負った右端の十一面観音は、肩が細く、女性的な印象。前回参詣時は、ここにいらっしゃらなかったんだな。三体が、いずれも左手に蓮のつぼみを持っているのが愛らしかった。
20分ほど、座ってお坊さんの説明を聞いたあと、延命十句観音経(短いなーこれなら覚えられる)を唱えて結縁し、須弥壇の間近に近寄って、拝観を許していただいた。ちなみに次回の本尊ご開帳は、同寺開基1250年の平成32年(2020)らしい。
■西国第三番 風猛山粉河寺(和歌山県紀の川市)
紀三井寺→和歌山駅乗換え→粉河へ。あまり人影もなく、わびしい駅前だった。前二回は、奥の十禅律院にも寄ったことを思い出したが、この日は粉河寺でご朱印だけいただいて帰る。
さて、新大阪への行き方を検索すると、橋本で南海急行に乗り換えよ、と出るので、これに従う。「妙寺」という駅のホームに「丹生都比売神社(天野社)」への案内があって、ハッとした。迫る夕闇の中、南側に横たわる山並みを見て、そうか、あのあたりが高野山か、と感慨にふける。峰々が集まって、大地からはっきり立ち上がる「山の塊」を作っているところは、この夏、訪ねた廬山にも似て、なんとなく大陸的な風景だった。
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- 延命十句観音経 (きの)
- 2012-11-30 08:54:24
- 延命十句観音経は坂東三十三所の御朱印帳にも載っています。とても短いので私も覚えて、巡礼の道中に一人で歩いている時や観音様の前で唱えております。巡礼中あるお寺で「このお経を三回唱えてから、「南無観世音菩薩」も唱えるのよ」と教えてもらいました。
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