見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

同時代を描く/FROM それぞれの日本画(郷さくら美術館)

2024-06-25 21:34:18 | 行ったもの(美術館・見仏)

郷さくら美術館 『第4回 FROM-それぞれの日本画-』(2024年5月25日~6月23日)

 以前から気になっていた郷(さと)さくら美術館に初めて行ってみた。本展は、これからの日本画壇を担う作家たちが、2020年に結成した「FROM」というグループの作品展。押元一敏、川﨑麻央、木下めいこ、武田裕子、田島周吾、長澤耕平、野地美樹子、山浦めぐみの8名の作品が2~3点ずつ展示されている。

 ポスターにもなっていたのは、川﨑麻央さんの『韋駄天』で、これがとてもカッコよかったので会いに行った。展示室に入ってすぐに展示されていて、カッコよかった。作品は三幅対(ぜんぶ韋駄天)で、彼は中尊である。

 全くタイプは違うのだけど、次にいいなあと思ったのは、押元一敏さんの『創世』。無機質な岩の重なりをリアルに、少ない色数で描く。墨画のような味わいがあった。

 桜の名所・目黒川に近い同館らしく、2階展示室は「桜百景」の常設展示室になっている。以下は、中島千波さんの『石部の櫻』(部分)。展示作品に描かれたサクラの品種を解説した「桜図鑑」が掲示されているのも面白かった。この『石部の櫻』はアズマヒガンまたはエドヒガンで、丈夫で長寿であることから、各地に巨木や名木があるという。

 急に興味をもって調べてみたら、同館は2012年3月の開館で、昭和以降の生まれの現代日本画家の作品を1000点以上収蔵しているという。公式サイトにお名前はないが、コマツ福島の元社長・四家(しけ)雄二氏のコレクションで、ご長男・四家千佳史氏がオーナーをされているようだ。まだ日本にも、こういう実業家がいらっしゃるのだな。

 次回からは、恵比寿駅を挟んで逆方向(まあ歩ける距離)にある山種美術館とこの美術館を、まとめて贔屓にしたいと思う。

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