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見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

今年も美術の秋/2022東美アートフェア

2022-10-18 21:36:26 | 行ったもの(美術館・見仏)

東京美術倶楽部 『2022東美アートフェア』(2022年10月14日~16日)

 恒例の東美アートフェアに行ってきた。印象に残ったお店(ブース)を記録しておこう。

 まず4階、古美術京橋には、角髪(みづら)の木造童子像に「童形若宮」(藤原時代)の札が添えてあった。小さな金銅仏も多数。大塚美術は朝鮮の美術特集で、日本民藝館の所蔵品によく似た桃型の水滴があった。小西大閑堂は蒔絵の名品揃い。今年は、三井記念美術館など蒔絵の展覧会が多いが、量も質も一流美術館に劣らない。それをガラスケース越しでなく、ナマで鑑賞できるのが、このアートフェアの醍醐味である。水戸忠交易の現代蒔絵もよかった。古美術豊後堂は仙厓さん特集でほっこり。尚雅堂は中国美術で、六朝の大理石の石仏(三尊形式と二尊形式)がおそろしく美しかった。

 驚いたのは泰文堂で、刀剣が剥き出しでケースもなく展示されていたこと。ひとまわりして戻ってきたら、お客のおじさんがそのひと振りを握って、目の前にかざして確かめていたので、もっと驚いた。

 また、竹籠と骨董を扱う大口美術店花筥は、吊りタイプの花籠を集めた展示が斬新で目を引いた。お店の方が「こういう展示は初めてですが、毎年出店しているんですよ」とおっしゃっていた。いま思い出したのだが、大口美術店さん、私は2008年のアートフェアで茶籠に惹かれて、名前を覚えたお店だった。店舗は日本橋なのか(休業中)。いつか行ってみたいな。

 3階。浦上蒼穹堂はウサギを描いた中国陶磁器をずらり並べた「兎づくし展 Part 2」を開催。ほとんどが明代の古染付で、ウサギなのかネズミなのかブタなのか、よく分からないゆるかわ絵皿である。遼三彩の小皿、金代の磁州窯緑釉の枕もあった。店主がウサギ年で、趣味で少しずつ集めたものだという。1987年にも店舗のギャラリーで「兎づくし展」を開催したことがあるので、これが「Part 2」なのだそうだ。

 玄海樓は古筆の名品が勢ぞろいで息が止まりそうだった。いや、こんなの、美術館でもなかなか見ない。個人的には藤原教長の「今城切」を見ることができて嬉しかった。ほかに俊頼「粽切」、行成「敦忠集切」、定頼「山城切」など(いずれも伝承筆者)。

 高野至宝堂は大正末期から昭和初期に制作された御殿雛を展示。水屋棚(炊事場)が付属しているのがめずらしい。どこかの美術館か博物館が購入するといいなあ。

 2階は休憩室。

 1階。古美術あさひは薩摩焼が揃う。古美術鼎には、犬追物の大きな屏風がドーンと広げてあった。古美術助川は歌仙絵特集で興味深かった。

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