○静嘉堂文庫美術館 受け継がれる東洋の至宝 PartⅠ『東洋絵画の精華-名品でたどる美の軌跡-』至高の中国絵画コレクション』(2012年5月23日~6月24日)
4月からずっと同じタイトルの展覧会の第2部「中国絵画」編である。湊信幸氏の講演を聞いたあと、展示会場に入った。
入口には余松の『百花図巻』が出ていたが、これはあとまわしにして、室内から。平置きのケースに、伝・夏珪『山水図』。「伝」の信憑性にはいろいろあるが、これはかなり夏珪らしさの濃い「伝」だという話だった。東博所蔵の伝・夏珪『山水図』(近衛家旧蔵)と並べた画像を見せてくれて、瓜二つぶりにびっくり。山水図では、元の孫君沢『楼閣山水図』も好きだ。
南宋の人物画では、牧谿『羅漢図』よりも、作者不明の『羅漢図』が気に入った。色は地味だが、よく見ると岩座の上に敷いた大きなクッション、ドレープの豊かな衣、瓔珞に飾られた花置き台、岩壁のつる草まで、華麗で装飾的なのである。元の彩色仏画は、『十王図』全十ニ幅から1枚と、久しぶりに『文殊・普賢菩薩像』という厳選の出品。後者は、若冲の模写が残っているもの(だったよね?)。張思恭筆と伝えられる作で、獅子と白象、その手綱を取る侍者の力の入り具合が、張思恭っぽいと思う。
壁に沿って、明代絵画→清代絵画と続く。張瑞図の『松山図』、岩ガキをごろごろ並べたみたいで面白いなー。いま、無料でもらった色摺りパンフレットを見ながら書いているのだが、宋元画は、絶対にパンフレットより現物のほうがいいと思う。ところが、明清画は、ときどき、パンフレットの縮小全体図や部分拡大図のほうが魅力的なんじゃないか、と感じることがある。どうしてか、分からない。私の眼が、まだ明清画の大幅の見かたを体得してないからかもしれない。来舶画人の江大来は、中国文化的なアクの強さが希薄で、日本の文人画家の作品かと見まごう感じがある。
ぐるり一巡して、反対側の壁の展示ケースに戻る。ここには、元の道釈人物画と、禅林の周辺で描かれたと思われる明代の『竹林山水図』。湊信幸先生が、見てこころよく感じられるのが、自分にとってのいい絵画なのです、みたいなことをおっしゃっていたが、私は、このセクションの作品がいちばん好きだ。因陀羅、それに雪庵。悪戯っ子のような『寒山図』と、風にそよぐ『竹林山水図』。絵が好き過ぎて、読めない題詩まで必死で読もうとしてしまった。
最後に、入口の余松『百花図巻』をじっくり見る。2メートルくらい開いていたかな。長く広げると、変化に富む構成、持続する緊張感がよく分かって魅力的である。一度くらい全部広げたところが見てみたい。
4月からずっと同じタイトルの展覧会の第2部「中国絵画」編である。湊信幸氏の講演を聞いたあと、展示会場に入った。
入口には余松の『百花図巻』が出ていたが、これはあとまわしにして、室内から。平置きのケースに、伝・夏珪『山水図』。「伝」の信憑性にはいろいろあるが、これはかなり夏珪らしさの濃い「伝」だという話だった。東博所蔵の伝・夏珪『山水図』(近衛家旧蔵)と並べた画像を見せてくれて、瓜二つぶりにびっくり。山水図では、元の孫君沢『楼閣山水図』も好きだ。
南宋の人物画では、牧谿『羅漢図』よりも、作者不明の『羅漢図』が気に入った。色は地味だが、よく見ると岩座の上に敷いた大きなクッション、ドレープの豊かな衣、瓔珞に飾られた花置き台、岩壁のつる草まで、華麗で装飾的なのである。元の彩色仏画は、『十王図』全十ニ幅から1枚と、久しぶりに『文殊・普賢菩薩像』という厳選の出品。後者は、若冲の模写が残っているもの(だったよね?)。張思恭筆と伝えられる作で、獅子と白象、その手綱を取る侍者の力の入り具合が、張思恭っぽいと思う。
壁に沿って、明代絵画→清代絵画と続く。張瑞図の『松山図』、岩ガキをごろごろ並べたみたいで面白いなー。いま、無料でもらった色摺りパンフレットを見ながら書いているのだが、宋元画は、絶対にパンフレットより現物のほうがいいと思う。ところが、明清画は、ときどき、パンフレットの縮小全体図や部分拡大図のほうが魅力的なんじゃないか、と感じることがある。どうしてか、分からない。私の眼が、まだ明清画の大幅の見かたを体得してないからかもしれない。来舶画人の江大来は、中国文化的なアクの強さが希薄で、日本の文人画家の作品かと見まごう感じがある。
ぐるり一巡して、反対側の壁の展示ケースに戻る。ここには、元の道釈人物画と、禅林の周辺で描かれたと思われる明代の『竹林山水図』。湊信幸先生が、見てこころよく感じられるのが、自分にとってのいい絵画なのです、みたいなことをおっしゃっていたが、私は、このセクションの作品がいちばん好きだ。因陀羅、それに雪庵。悪戯っ子のような『寒山図』と、風にそよぐ『竹林山水図』。絵が好き過ぎて、読めない題詩まで必死で読もうとしてしまった。
最後に、入口の余松『百花図巻』をじっくり見る。2メートルくらい開いていたかな。長く広げると、変化に富む構成、持続する緊張感がよく分かって魅力的である。一度くらい全部広げたところが見てみたい。