見もの・読みもの日記

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金唐紙の美と技術/旧岩崎邸庭園と紙の博物館

2010-03-25 23:34:30 | 行ったもの(美術館・見仏)
旧岩崎邸庭園(台東区池之端)

 大河ドラマ『龍馬伝』に触発されて、旧岩崎邸庭園に行ってきた。明治11年(1878)、三菱財閥初代の岩崎弥太郎が邸地を購入し、第3代・岩崎久弥が建てたものである。設計はお雇い外国人のジョサイア・コンドル。

↓木立に閉ざされた長い坂道を進んでいくと、いきなり、ぬっと現れる洋館。このアプローチの感じは、第4代・岩崎小弥太が建てた静嘉堂文庫にちょっと似ている(ちなみに静嘉堂文庫は、コンドルの弟子である桜井小太郎の設計)。


↓玄関の扉の上の採光窓


↓ミントン社製のタイル


↓そして、これが見どころの金唐(革)紙!!


紙の博物館 創立60周年記念・企画展『金唐革紙の魅力~過去から未来へ~』(2010年3月20日~6月13日)

 金唐(革)紙について詳しく知りたかったので、帰りに王子の紙の博物館に寄った。学んだことを整理してみよう。ヨーロッパでは、なめし革の上に金属箔を貼った「金唐革(きんからかわ)」が、王侯貴族の城館の壁や天井に使われてきた。17世紀の半ば頃、日本に渡来した「金唐革」は袋物や小物に使われて、一大流行となった。「金唐革紙(きんからかわし)」は、これを和紙で模造した擬革紙の一種である。明治期には、壁紙としてヨーロッパに輸出される一方、鹿鳴館や岩崎邸などの洋館の壁を彩った。その製法は、一度は完全に廃絶してしまったが、文化財の修復に取り組む上田尚氏によって復元された。上田氏は、よみがえった「金唐革紙」を「金唐紙(きんからかみ)」と呼んでいる。現在、旧岩崎邸などで見ることのできる華麗な壁紙は、この復元による「金唐紙」である。

 紙の博物館は、1962年まで金唐紙を製造していた日本加工製紙株式会社(2002年、自己破産!)から譲り受けた、金唐紙の版木ロール130本を保有しており、会場には、このごく一部が展示されている。ロールの風合い(木地の色、彫りの深さ)はさまざまだが、基本は桜の木だそうだ(日本の書籍の木版と同じ)。「金唐紙」と言いながら、実は銀箔を貼って、ワニスを塗ると、金色に輝き出す、ということも初めて知った。

 会場では、上田尚氏による金唐紙制作工程のビデオを視聴することができる。どうやら、均一な刷毛さばきが最重要らしい。根気と精神の安定がものをいう、単調な作業の繰り返しである。刷り上がった金唐紙は、色のつけかた次第で、何通りにも変身する。地道な作業から大胆で華麗な金唐紙が生まれる様子は、魔法を見ているようだった。

金唐紙友の会(2008年4月1日発足)
「作品紹介」をご堪能あれ!

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