見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

関西旅行9月編(2):珍皇寺、清水寺など

2008-09-15 19:38:17 | 行ったもの(美術館・見仏)
○六道珍皇寺~清水寺~京都三年坂美術館~本能寺

 京博を出たあとは、ご本尊(秘仏)御開帳の始まった清水寺に向かう。と思ったが、その前に六道珍皇寺に立ち寄る。ふだんは非公開のご本尊が「京の夏の旅」キャンペーンの一環で公開されているためだ。

 それから、観光客でにぎわう坂を上がって清水寺へ。本堂の手前の経堂では『羽裏の美・第3章』展が開催されていた(入場無料)。7月に京都で行われた『羽裏:近代日本の雄弁なメディア』展を見逃したことを、このブログに書いておいたら、京都在住の友人が教えてくれたもの。展覧会情報サイトにも取り上げられないような小さな催しだが、とても面白かった。感謝、感謝。岡重(おかじゅう)という京友禅の会社が所蔵しているコレクションらしい。

 特別御開帳のご本尊は、追加料金100円で拝観できる。2000年のご開帳は、33年に1度(が謳い文句)とあって大混雑だったが、今回はさほどではない。8年ぶりに懐かしい本堂に入ると、まず須弥壇(かな?)の裏側をぐるりと回って、表に出る。ご本尊のお厨子の背後には、たぶん普段は「御前立ち」の千手観音がお控えになっている。須弥壇の右手(上手)から表に出ると、まず毘沙門天、中央に本尊・千手観音、そして左に地蔵菩薩。その間には二十八部衆が立ち並ぶ。風神・雷神も忘れてはならない(拝観順路は、右手の雷神の下をくぐる)。

 ご本尊は、着物のひだがやわらかな、優美な千手観音である。1組の脇手を高く頭の上で組み合わせた姿=清水寺式って、やっぱり面白いなあ(→写真※これは御前立ち)。脇侍は地蔵菩薩と毘沙門天と書いたが、これは今調べたのである。毘沙門天はすぐ分かったが、地蔵菩薩は分からなかった。剣を掲げ、鎧の上に衣をつけ、片足を岩(蓮台?)の上に踏み上げている。頭にも何か被っていた(顔面付きの動物の毛皮らしい)ので、その場では、不動明王?帝釈天?と悩んだ。こんな地蔵菩薩って、めったにないのでは?

 ゆるゆると参道を下って、清水三年坂美術館へ。ここは2000年に開館した、幕末・明治の金工、七宝、蒔絵、薩摩焼を展示する美術館である。館長・村田理如氏の、明治の美術工芸品に対する熱い思いは、公式サイトの「美術館について」に詳しい。夏の企画展『帝室技芸員 並河靖之』は見逃してしまったが、ようやく初訪問を実現することができた。現在は、1階の常設展に加えて、2階は『 研出(とぎだ)し蒔絵の印籠 ~色彩が織り成す小宇宙(ミクロコスモス)~』を開催中。質量そろった展示で、楽しかった。これから愛用させていただくことにしよう。

 もう1箇所くらい寄りたかったのだが、4時をまわったので、そろそろタイムアップ。最後に本能寺を訪ねて終了とした。
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