見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

Google「本の中身」検索サービス

2007-07-05 23:53:35 | 見たもの(Webサイト・TV)
○NIKKEI NET(日経ネット):米グーグル、「本の中身」検索サービス開始(2007/07/05)

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070705AT1D0505J05072007.html

 「米グーグルは5日、書籍の全文をキーワードで検索し、内容を見られる『グーグル・ブック検索』サービスの日本版を始めたと発表した」という今日のニュースを、さっき、見つけた。2ちゃんねるふうに「キター!」と言うべきか。風林火山ふうに「武者震いがするのう!」と言うべきか。なんて、馬鹿なことを書きながら、いろいろな感慨が頭の中をめぐっている。

 Google社が「本の中身」を検索対象にした「グーグル・プリント」プログラムを開始したのは2004年のことだ。当初は出版社から提供されたコンテンツを対象にしていたが、現在は英米の大学や公立図書館と協力し、絶版本を含む図書館の蔵書をスキャンして公開する作業が着々と進んでいる。書籍『NHKスペシャル:グーグル革命の衝撃』の中で、野口悠紀雄氏がこのプロジェクトに触れて「英語でなければおよそ知的な作業ができなくなってしまう」とおっしゃっていたものだ(そこまでいうか!感もあり)。なお、現在、検索サイトの名称は「グーグル・プリント」から「グーグル・ブックサーチ」に改められている。

 確かに「本の中身」が検索できるというのはすごい。かなり画期的である。そう思って、何度か「グーグル・ブックサーチ」を試してみたことはあるのだが、如何せん、コンテンツが横文字中心なので、何が便利になったのか、どう使えばいいのか、実感としてはサッパリ分からなかったのだ。

 それが、とうとう日本語サービス登場である。記事によれば、「日本の出版社を含む1万社以上、100万点以上の作品を検索できる」由(この表現だと、日本語の書籍がどれだけあるかは不明)。まあ、大いに使ってみようではないか。二、三、試してみて、最初に感じたのは、ノートパソコンの画面は、縦書きの書籍のイメージを表示させるのに適当でないということだ。1行ずつ縦スクロールさせないと読めない。これはかなり痛い。

 たぶん私はこれからも、読書のためには紙の書籍を買い続けるだろう。しかし、実はこのサービスに期待していることがある。私は、本を読んだ後、再び本をひねくり返しながら、読書ブログを書く。必要に応じて本文を引用するためだが、そうすると、どうしても記憶の箇所が見つからないことがある。自分の記憶違いなのかどうなのか。真相が判明しないと、いつまでも気になる。そのたび、本の中身が検索できたら...と思っていた。

 私は、コンテンツにお金を払うことは全くやぶさかでないので、もし追加料金で中身検索ができるなら、有料でも検索オプションを買うと思う。そのくらい、「検索できる」という付加価値は高い。さて、このサービス、日本の情報流通と日本人の読書習慣をどう変えていくか、自分を実験台に試してみたい。

■7/6追記:
NIKKEI NET(日経ネット):米グーグル、図書電子化で慶大と提携・ネットで閲覧可能に(2007/07/06)

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070706AT1D0606R06072007.html

 朝日新聞の朝刊を見たら、「(米グーグルは)図書館蔵書の検索も始める予定で、まず有力大学1校と提携する」という下りがあった。「有力大学」ってどこだよ、と気になっていたのが、帰ってから、この記事で判明した。慶応か。そうだなあ、もし福沢諭吉が生きていたら、こういうプロジェクト、反対しないだろう。Web2.0大賛成って言いそうだな。『福翁自伝』に描かれた、新しもの好き(アメリカ好き)の福沢の気性を思い出して、なんとなく納得した。
コメント
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