つい最近「お楽しみはこれからだ~映画の名セリフ」を読んでいたら、思わず唸った一節があったのでご紹介しよう。(64頁)
ロバート・ミッチャムはある富豪の新聞係秘書で、雇い主の死の瞬間に居合わせる。すぐいろいろな人物が訪ねてきては、死に際して何か言わなかったのかと質問する。
何故だろうというのが話の発端。そのうち、雇い主はただの富豪ではなかったことがわかってくる。富豪には若い夫人がいて、夫の死の直後、彼女はミッチャムとこんな会話をする。
「あなたは私が好きだったんでしょ」
「知ってたんですか」
「女にはわかるのよ」
そして
「私もあなたが好きだったわ」
「気がつきませんでした」
「女は隠せるのよ」
以上のとおりで、読むとさほどでもないが映画の一シーンとして視聴すると叙情的な大人の会話になりそうですね~。
こういう駆け引きとなると女性の方が一枚上手のようですが、その後の展開が気になります(笑)。
もうひとつご紹介。(92頁)
「ここは西部だ。伝説と事実があるなら、伝説を事実にするのだ」
出典は「リバティ・バランスを射った男」(ジョン・フォード監督)
この映画は6年前の拙ブログで「これ以上の西部劇があるのか!」で紹介しましたね。
再掲させてもらいましょう。
映画鑑賞といえば大好きなミステリーや音楽ほどには時間を割いておらず、二次的な趣味の扱いだしそれほど詳しくもないがそれでもいつまでも記憶に残る映画というものがある。
「あなたが一番好きな外国映画は何ですか?」と問われたら、ためらうことなく「それは<リヴァティ・バランスを射った男>です」と答える準備がいつでもできている。昔、テレビ放映を録画したこの作品をもう何度繰り返して観たか分からないほどだが、そのたびに新しい発見があって見飽きない。こういう映画も珍しい。
監 督:ジョン・フォード
キャスト:ジェームズ・スチュワート、ジョン・ウェイン、リー・マーヴィン、ヴェラ・マイルズ
製作年:1962年
映画の素人がつべこべ論評するよりも熱心なファンの方が参考になると思い、ネットで検索してみたところ大いにシンパシーを感じたレヴューを2件紹介させていただこう。
「自由と平等を真に守る力は何か。ジョン・フォード監督の西部劇。ジョン・ウェイン、ジェームズ・スチュアートの二枚看板を擁した傑作。
二大スターの初共演というのは古今東西ギャンブル要素が強いもので、映画ファンなら期待も心配もしてしまうところ。
なんだけど、さすがはジョン・フォード。
二人の個性を殺すどころか魅力を引き出しつつ、詩情とロマンあふれるお得意のテイストをベースに、ミステリー要素までも加えた、一段高いレベルの西部劇を作り上げてしまった。
夢を見る者はGO WESTの時代にやってきた法の道を志す若者にジェームズ・スチュアート。古き良き西部の男にジョン・ウェイン。悪名高き無法者「リバティ・バランス」にリー・マーヴィン。このメイン3人が絵に描いたようにハマっており、ぐいぐい作品を引っ張る。
イデオロギーの衝突、男の友情、不器用な恋のトライアングル、男の意地と誇りを賭けた闘いなど、まさに西部劇の醍醐味が描かれる中で、やはりジェームズ・スチュアートの存在が異質。こういうタイプはこれまで観た西部劇にはいなかった。
彼は、早撃ちはおろか、銃もろくに使えないが、法律を勉強し、街の人に言葉を教え、違うやり方で街のリーダー的存在になっていく。当然、面白くない無法者リバティ・バランス。頼れる存在として誰からも一目置かれているジョン・ウェインも巻き込んだ彼らの争いの決着はどうなるのか。そして、その後、彼らを待つ運命は…。
西部劇ファンはもちろん楽しめると思うけど、苦手な人でも、展開で楽しめるかもしれない、ひと味違う作品。」
そして、もう一件ご紹介。
「西部劇の中で、そしてジョン・フォードの作品中最も素晴らしい作品。西部の神話とその虚構性、サボテンの花という叙情性。そしてジェームズ・ステュアートとジョン・ウェインという世界的俳優の素晴らしい演技が堪能できる。悪役のリー・マーヴィンも素晴らしく、一切の欠点のない作品である。」
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