「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

久しぶりの登場だよ~、「WE300B」アンプ

2022年09月11日 | オーディオ談義

前々回からの続きです。

真空管アンプのテストもいよいよ佳境に入って4台目のアンプは「2A3」シングル。



巷では出力管の「2A3」はなかなか人気があって種類も豊富だが、現在手元には3種類の球がある。

で、音質は使う真空管(出力管、前段管、整流管)のブランドによって面白いほど変幻自在となるのは周知のとおり。



左から「VISSEAUX」(フランス:刻印)、「ザイレックス」(英国:商社)、「RCA」(アメリカ)

この順番で差し替えてテストしたところ、Yさんが付けた順位は「VISSEAUX」「RCA」「ザイレックス」だった。

「周波数レンジはRCAが上ですが、VISSEAUXは何よりも音に艶があって雰囲気感が抜群ですね。フランスの国民性でしょうか、とてもセンスがいい球だと思います。そういえばエラートなどの優秀録音盤も多いですからね~」。

「同意します。真空管にはどうしてもお国柄が出るようです。フランス製は総じて評判がいいみたいですよ。何しろ芸術的な蓄積となると抜きんでた国ですからね」

これで一応アンプのテストが終了したつもりだった。

ところがYさんから「最後にWE300Bシングルを聴かせてもらえませんか。やはり直熱三極管の王様ですからね・・」

「え~っ、300Bですか・・。」

まったく予想外の展開となった(笑)。

このところ3か月ばかりご無沙汰のアンプである。今更という感じだが、久しぶりに出番といきますか・・。



そういえば、AXIOM80のボックス改造後はまだ聴いてなかったなあ・・。

実を言うと、このアンプは我が家のアンプ群の中で一番お金がかかったアンプなので、どうしてもそれなりに厳しく醒めた目をもって見つめている。

ほら、高額年棒のプロ野球選手がそれに見合った活躍をしていないと、忌々しい気持ちになるのと同じ心境です(笑)。

音が良くて当たり前だし、もっといい音を出してもらわないと困る・・。

で、今回の登場では思うところがあって、整流管と前段管をそれぞれ別の球へ入れ替えてみた。

前者には「274B」から「071シングル」で活躍した「OK-X213」を起用し、後者では「471B」(デフォレ)から「71A」(レイセオン:ボックスプレート)へと入れ替えた。

ただし、肝心の出力管は「WE300B」(1988年製)のまま。

さあ、二人とも固唾をのんで音出しへ。

「音響空間が一気に広がりました。やっぱり素晴らしいです! どうだ、文句あっか という感じですね。これを聴くと071シングルが小回りの利く軽のスポーツカーのように思えてきました。」と、絶賛するYさん。

う~ん、そうかなあ・・・。

このくらいは当たり前という忌々しい感じ、とともにそれ相応の安心感などが微妙に織り交じって何ともいえない複雑な気持ちになった(笑)。

となると、欲が出てきて今度はもう一方の雄「PP5/400シングル」の出番だが・・。

とはいっても、今日はもう制限時間オーヴァーなので、Yさんが次回にお見えになったときの楽しみにとっておこう。

それにしても、「AXIOM80」のボックス改造後、我が家のアンプ群は全てが生き返ってきたような気がする。

やはりオーディオの中で一番の座標軸はスピーカーであり、ここがしっかりしていないとあちこち無意味な漂流をするみたいですね。

これは50年以上も荒海を彷徨ってきた人間の悲しくも痛切な体験談です(笑)。

「いろいろ”ぶしつけ”に言いましたが粒ぞろいのアンプばかりです。それにしてもそれぞれのアンプの差を見事に表現できるAXIOM80の繊細な表現力に改めて感服しました」と、帰り際のYさん。

はい、とてもタメになる試聴会でしたよ。

ただし、別のプリアンプに代えて試聴すると様相が違ってきておそらくこれらアンプ群の序列が変わってくることだろうが、それは今後のお楽しみ~。



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