「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

オーディオ機器の故障はチャンスの糸口

2014年03月22日 | オーディオ談義

前回からの続きです。

頃はもう初春、3月中旬ともなると独特の宵闇が漂う時期になるがその中をわざわざ駆けつけて来ていただいたAさんに、「dCS」のCDトランスポート(以下「ラ・スカラ」)を紹介してからさっそく「小椋 佳」の歌を聴いていただいた。

「これはプロのエンジニアの録音現場のような音ですね。一つ一つの音の粒立ちが見事です。レコードの音に非常に近い印象を受けました。これまでのワディア270とは相当レベルが違うようです。〇〇さん、もうこのCDトランスポートで決まりですよ。こんな音を聴くと私も血が騒ぎます!」

我が家の音を熟知され、オーディオに対する熱意と経験が自分よりも一枚も二枚も上のAさんからのコメントはいつも一目もニ目も置いている


次から次にCDを引っ張り出して一緒に試聴しながら、心はもう“うわの空”でこの「ラ・スカラ」をいったいどう始末をつけようかとつい物思い(?)に耽ってしまった。

つまり、購入しようか、どうしようか(笑)。

「禁断の恋」ならぬ「禁断の音」に接するとオーディオマニアは盲目に近くなるのが世の慣わし。ま、しばらく時間があるのでここは冷却期間をおくことにしましょう。歳を取るにつれ情熱よりも分別の方が働くのが何だか悲しい!

それにしても、去る2月のブログで「たまには故障もいい」「またもや故障のおかげで」といったタイトルで、「機器が故障すると新しい発見に恵まれる」という趣旨のことを書いたが、まさにそのとおりで、今回もワディア270が故障したおかげでこういう新しい世界に巡り会うことが出来た。

「オーディオ機器の故障はチャンスの糸口」とは、けだし名言だとは思いませんか(笑)。

ちなみに、「Sオーディオ」のSさんによると、この「ラ・スカラ」の元の持ち主は、後継機種のdCS「Vivaldi」(480万円)を購入された由。ウ~ン、東京にはお金に糸目をつけないオーディオ・マニアがウヨウヨしているのだ!それに比べると、中古の「ラ・スカラ」なんて大したことないと急に気が大きくなってくる~。

さて、翌日からまるで子供が新しいおもちゃを弄り回すように(笑)、手持ちの真空管アンプ3台の相性テストを試してみた。スピーカーはオリジナル・エンクロージャー入りの「AXIOM80」。

出力管ごとに「WE300Bアンプ」、「PX25(ナス管)・1号機」、「刻印付き2A3・1号機」のアンプ転がし。いずれも直熱三極管シングル。







テストの途中で面白いことに気がついた。

CDから直接コピーしたCD-Rと、いったん「iTunes」に取り込んで作成したCDーRとでは後者の方がチャラチャラした軽薄な音で鳴る!デジタルでいじり回した音につきもののやや上ずった実体感のない響きと言えばお分かりいただけようか。

つまり「ラ・スカラ」はCDソースの弱点までをも克明に抉り出すのだ。逆に言えば、「iTunes」経由のCD-Rと他のCDーRとの差が感じ取れないようであれば、そのCDシステムはどこかおかしいということになる。こういう意味で「ラ・スカラ」は両刃の剣だと言えよう。

また、「ワディア270」のときはプリアンプを経由しないでDAコンバーター(ボリューム付き)にストレートにパワーアンプをつなぐと、響きが物足りなかったのだが、今回のスカラだとその点が見事に解消されてむしろプリアンプを外した方が好ましいようだ。明らかに「ラ・スカラ」の情報量が増えたことによるものだろう。

結局、2日間にわたるアンプテストの結果は音色にクセがなく小出力の持ち味が存分に発揮された「刻印付き2A3」
がベストだった。

高音域に少しばかりクセのある「AXIOM80」とのマッチングがうまくいったのだろうが、とにかくお値段的に一番安い球がベストになるのだからオーディオは面白い。

つまるところブランドに対する先入観などを捨て去り、白紙の状態で組み合わせの相性を探していくのがオーディオの妙味ではなかろうかと思った次第。

さて、これでCDトランスポート騒動は一段落といきたいところだが、そうは簡単に問屋が卸さない(笑)。

つい先日、大分からOさんとMさん、そしてその二日後には市内のYさんが相次いでお見えになったが、実は「ラ・スカラ」どころではない緊急事態が勃発!

以下、続く。 

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