「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

チャンデバ VS LCネットワーク

2017年08月15日 | オーディオ談義

懇意にしているメル友の「I」さん(東海地方)から「グッドマンのマルチアンプ駆動がすごく気になります。」というご連絡があったので「あっ、そういえば!」と、先日のブログで中途半端に終わっていた件を思い出した。

内容について、改めて記しておこう。

       

ご覧のとおり「D123(JBL初期版グレータイプ)+AXIOM80」の組み合わせについて、生粋のJBLファンにしても、グッドマンファンにしても誰もが首を傾げること間違いなし(笑)。

我がオーディオのモットーとして「誰もやってないことをやる」「ワクワクすることをとことんやってみる」を、大隅教授(ノーベル賞)にあやかって掲げているが、「JBL+AXIOM80」の組み合わせなんておそらく世界広といえども誰もやってないに違いない。

この珍しい組み合わせをバランスよくどう鳴らすかは料理方法の如何にかかっている。

折りしも、タイミングよくオーディオ仲間のMさん(大分市)が持参されたのがチャンデバだった。

これで材料がそろって、3つの鳴らし方が可能となった。

 パイオニアのLCネットワーク(クロス4000ヘルツ)を使う

  つまり周波数帯域の「~4000ヘルツ」はD123が受け持ち、「4000ヘルツ~」はAXIOM80が受け持ち、1台のア
  ンプで鳴らす

 テクニクスのLCネットワーク(クロス1200ヘルツ)を使う

  上記と同様の考え方で「~1200ヘルツ」はD123が受け持ち、「1200ヘルツ~」はAXIOM80が受け持ち1台の    
  アンプで鳴らす

 チャンデバ(クロスオーバー500ヘルツ)を使う

  つまり「~500ヘルツ」はD123が受け持ち、「500ヘルツ~」はAXIOM80が受け持つ。それぞれ1台のアンプを
  割り振り計2台のアンプで鳴らす

おっと、「チャンデバやLCネットワークって何?」という方がいるかもしれない。

そういう方は別途ググってほしいところだが、平たく言うと、前者は分割した周波数帯域ごとのSPユニットを複数のアンプで鳴らす方法(マルチアンプ)であり、アンプごとに音量の調整が出来るので音質のコントロールがやりやすい。

その一方、後者はコイルとコンデンサーを使って周波数帯域を分割したSPユニットを1台のアンプで鳴らす方法だが、チャンデバ、LCネットワークともども一長一短があり各人ごとの好みの差もあって一概に良し悪しは言えない。

ただし、これらは音質に重大な影響を与えるのでユメユメおろそかに出来ない部品である。一般的に出回っているスピーカーはほとんどが「LCネットワーク内蔵」といっていいが、外見では分からない箱の中に内蔵されているためメーカー側が一番手を抜くところでお粗末極まりない部品を使っている例が圧倒的に多い。

とにかく1から3までケースバイケースなのでこういうときは実際に音を出して実験してみるに限る。

その結果、1と2は似たような音であまり大差なかったが、どちらがフルレンジに近い鳴り方かというとやはり1だった。

4000ヘルツまで一つのユニットでカバーするメリットを十分感じたし、それに周波数を下の方で切れば切るほど、コイルやコンデンサーが大がかりになって音質に悪影響を与えるような気がする。ただし、これはあくまでも個人的な見解。

ハイライトは3である。2台の真空管アンプを使って鳴らしてみたところ目の覚めるようなスッキリした音がした。当初はこれが一番いいと思ったが、時間が経つにつれどうも聴き疲れしてくるような感じ。

音が良すぎるという言い方は変だが、あまりに鮮明過ぎて色合いでいえば「白と黒にはっきりと分かれすぎてグレーの部分が無い感じ」といえばいいのだろうか。

もちろんこういう音を好む人もいるのだろが、自分にとってはチョット肌合いが違うかなあ~。調整不足かもしれないので、いろいろアンプを駆使して追い込むといいのだろうが使い勝手を考えると1台のアンプで駆動する方がベター。

というわけで、この組み合わせでは「LCネットワーク」に軍配を上げたくなる。

その一方、我が家の旗艦システム「JBL・D130・イン・ウェストミンスター」(口径38センチ)では明らかにチャンデバを使った方が良かった。

口径30センチと38センチのユニットではエネルギー感に雲泥の差があり、後者の方がどうしても自己主張が強くなるので、チャンデバを使って専用のアンプでコントロールしたほうがいいというのが我が家での結論。

そういえば、たしかメル友の「I」さんもJBLの130A(口径38センチ)を中心にチャンデバを使って「4ウェイシステム」を構築されている。

             

ちなみに、「D123+AXIOM80」を鳴らすアンプだが、今のところ3台の真空管アンプでの日替わりメニューとなっている。

「WE300Bシングル」(1951年製オールド)、「2A3シングル」(フランスのVisseaux)、「171シングル」(トりタンフィラメント)

             

    

それぞれにいいところがあって、いずれも甲乙つけ難しだが一番鳴らす時間が多いのは「171シングル」で、周波数レンジはけっして欲張っていないがとても素直な音質なので聴いているうちにいつのまにかアンプとスピーカーの存在を忘れさせてくれる。

これは一つのオーディオの理想的な姿ともいえる。

最後にチョット「山っ気」を起こしてチャンデバで「AXIOM80(最初期版)+AXIOM80(復刻版)」を実験してみた。

            

これは完全にアウトだった。期待していた低音の量感がサッパリだし、音の焦点はぼやけるしでAXIOM80を二つ使う理由がまったく見当たらず、「フルレンジ」一発で鳴らす方がずっとよかった。

オーディオはなかなか思い通りにはいかない(笑)。

 

 

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« コンサートホール VS 実験室 | トップ | 「左利き」と「左打ち」はけ... »
最新の画像もっと見る

オーディオ談義」カテゴリの最新記事