このところ「ぞっこん」惚れ込んでいるのがリボン・ツィーター(英国デッカ)。
外気温38℃の猛暑を吹き飛ばす勢いで我が家を席巻(せっけん)中(笑)。
しかし、2~3日経つとやや冷静になってきてその魅力を客観的に見つめたくなった・・、それには「聴き比べ」がいちばん!
アンプと違ってツィーターは目方が軽いので入れ替えが簡単というのも大いに助かる。そこで、次の4種類のツィーターをとっかえひっかえ試してみた。もちろん、基準となる物差しは「デッカ」である。
175ドライバー(JBL)、ワーフェデール1、ワーフェデール2、075ツィーター(JBL)
まず最初は175ドライバーの登場だ。
おっと、その前に・・、このシステムのうち、全体的なサウンドへの影響力からいえば、その割合として「~3000ヘルツ」を受け持つ「口径20cmのユニット」が5割、「5000ヘルツ~」を受け持つ「ツィーター」が3割、「~100ヘルツ」を受け持つ「サブ・ウーファー」が2割と踏んでいる。
つまり、全体の3割程度の影響力しかない「ツィーター」の功罪を問うわけだからかなり限定的という認識が前提となる。
で、まずは試した順番からいこう。
聴いた瞬間から「やっぱりJBLは凄いなあ、情報量が多いのでデッカよりも優るかも・・」、ところが2時間ほど続けて聴いているとなんだか音楽が「薄っぺらく」聴こえてくることに気が付いた。あえて言わせてもらうと「余韻が少し足りない」気がする。ジャズにはむしろ好ましいんだろうが・・。
そして、この175はやはり定格通り1000ヘルツあたりから使った方が良さそう、というわけであえなく脱落~。
次は、ワーフェデールの「スーパー3~その1」。
強力なマグネット付きのコーン型ツィーターで、デッカとあまり遜色がないのが第一印象、そのうち遠くまで届くような響きの浸透力においてデッカよりやや劣ることに気が付いた。デッカの横長の「ホーン」はやはり伊達じゃなかった模様(笑)。
次は同じワーフェデールの「スーパー3~その2」
同じワーフェデールのコーン型ツィーターだがやや口径が大きくて10cmほどある。マグネットが赤帯なので10年ほど前に飛びついたわけだが、以降期待を裏切られたことはない。「赤帯マグネットに駄作無し」の格言は立派に生きていた(笑)。
これも「その1」と同じワーフェデールだけあってそれほど変化なし。抜けのいい立派なサウンドだけど、デッカのホーンには太刀打ちできないように思う。
そして最後が、ジャジャ~ン・・、泣く子も黙る「075ツィーター」(ステンレス削り出しホーン付き)のご登場だ!
さすがにシンバルの響きには思わず息を呑んだ。これだけは天下広しといえども「075」の独壇場じゃないかなあ~。
ただし、クラシックの肝ともいえるヴァイオリンの音色がデッカよりもやや刺激的になってやや落ちるかなあ・・、惜しい~。
デッカが「重厚な高音」だとすると「075」は「爽快な高音」といえそう。
とはいえ、真夏には「075」が向いてそうなので、少し「もがいてみる」ことにした。
「075」用のアンプを「2A3シングル」から「3A/109B」シングルに交換。
通常は出力管に「LS7」(英国:GEC)を挿し込んでいるのだが、より「μ(みゅー=増幅度)」が低い、つまり音が比較的穏やかになりそうな「3A/109B」(英国:STC)を挿してみた。
デッカの場合はリボンだけあって極めて能率が低いので、比較的高出力の「2A3」シングルアンプあたりに限られるが、「075」だと能率が極めて高い(110db)ので、小出力のアンプが使えるところがいい。
すると、弦楽器の刺激的な音が幾分か和らいだのには大助かり・・、ただしアンプのボリューム調整には細心の注意が要りそう。
というわけで、結局「真夏の間」だけは「爽快なシンバルの響き」に免じて「075」にしようかな・・、「音楽的なサウンド」と「オーディオ的なサウンド」の狭間で大いに迷うなあ~(笑)。
昨日(2日)の夕方のこと、団地の端っこにある竹林の近くをウォーキングしていたらトンボが1匹飛んでいるのに気付いた。
猛暑の真っ最中にもかかわらず秘かに秋の気配が忍び寄っている・・、「夏来たりなば 秋遠からじ」、思わず嬉しくなりましたぞ~(笑)。
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