「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

オーディオの小宇宙を楽しむ

2024年06月28日 | オーディオ談義

「南方 熊楠」(みなみかた くまぐす:1867~1941)という人物をご存じだろうか?

いろんな書物を手当たり次第に濫読していると、必ずといっていいほど突き当たる御仁であり、いわば「博覧強記の知の巨人」というイメージを強く持っている。



本書の冒頭に「宇宙の楽しさを求めた人」と題して次のようなご本人の言葉があった。

「宇宙のすべては尽きることがない。ただ人間には生まれながらにして 心 というものがある。心がある以上、心が得られる限りの楽しさを宇宙から受け取ることができる。宇宙のほんの少しの部分を自分のものとして心の楽しさに変えていく。これが 智 と呼ばれているものの正体だと、ボクは思うんだ」(現代語訳)

そうなんです! と思わず膝を打った(笑)。

地位も名誉も何も要らない・・、オーディオという訳の分からん小宇宙 のほんの少しの部分を取り出して、我がものとしていく一連の作業ほど楽しいものはない、まあ、身勝手な解釈だけどね~(笑)。

そもそも相手が小宇宙なんだから永遠に果てしない世界・・、道理で飽きが来ないはずだ。

という前置きのもとで、具体論に入ろう。

我が家のオーディオの目下の関心事は、仲間から借りてきたコーラルのドライバーとウッドホーン。



この新しいサウンドに夢中になって早くも3日が経過した。

なんとかクラシック向きの音にしようと やっきになって9台の真空管アンプの中からとっかえひっかえ試しながら聴いていると、どうにか一段落してようやく音楽に専念できる段階に至った。

ところが・・、それも束の間で新たな好奇心が湧いてきた。

これまで使ってきた「175ドライバー」(JBL)に、このウッドホーンを取り付けたらどういう音が出るんだろうか~。

前々回のブログ「新風を吹き込まれたオーディオシステム」では「果報は寝て待て」と悠長なことを書いてたが、なにも逸る気持ちを無理して抑えることもあるまい・・、誰にも遠慮はいらないんだから~(笑)。

というわけで、さっそく作業に取り掛かった。

いちばん心配したのは「175」と「ウッドホーン」の3か所のネジ穴の位置が合うかどうか・・、だったがどうにかうまくいって辛うじて凌いだ感じ~、なんといっても他人の所有物だから、傷を付けないことに専心した。

その結果、次の通り据え付けた。



これが右チャンネルで、左チャンネルの方はオリジナルの「コーラルのドライバーとウッドホーン」。

クロスオーバーは「175」を使うので、両チャンネルともにローカットを「900ヘルツ」に設定した。

こうやって聴くと、たちどころに左右のサウンドの差が判明するというわけで、ワクワクしながら耳を澄ますと、「175」の方に分解能と透明感の点でやや一日の長があった。

といっても、まったくわずかな差で、もしブラインド・テストだと判らないかもしれない範囲・・、天下の「JBL」とほぼ互角の勝負をするのだから国産の「コーラル」善戦の感を強くした。

そして、次の実験は・・、



左チャンネルに従来の「175+小型ハチの巣型ホーン」を据え付けて試してみた。右チャンネルは言わずもがなだが「175+ウッドホーン」である。

音色はまったく変わらない・・、ただし「鮮度」という点で微妙な差になるがウッドホーンの方に軍配を上げたくなる。見通しの良さや明るさもやや上回っているので「原音」への近さからいくと、
こっちの方かなあ~。

それにしても、いずれ仲間に返却する運命にあるのだが、このウッドホーンだけは欲しいなあ・・。

なかなかの掘り出し物で、部屋の面積(5m×7m)に応じてやや「小振り」なところが気に入っているし、「マルチセルラー」型という利点も大いにありそうだ。

さらに欲が膨らんで「ドライバーとホーン」ともに譲ってもらってもいいかもねえ~、もちろんオークションで落札した価格と送料を含めたお値段ということで・・、ちょっと虫が良すぎるかなあ(笑)。



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