「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

オーディオにおける「選択」の意味

2019年12月07日 | オーディオ談義

先日投稿した「いつも突き付けられる二者択一」(2019・11・17)が、なかなか読者の興味を惹いたようで僅かながらもいまだにアクセスが絶えない。

賢明なる読者は「二者択一=選択」という言葉に含まれている真意にきっと気が付かれたに違いない。

言わんとするところは「オーディオ機器はすべてあちら立てればこちら立たずというものばかりで100点満点を求めるのは喜劇を通り越して滑稽というものです」

「常に割り切るクセ=選択意識」を持っておかないと、どうしようもない無駄遣いに繋がっていく。

これは、いくつもの真空管アンプを保有し、4系統のシステムを持っている人間の体験と反省と悔恨に裏打ちされた言葉なのでぜひ耳を傾けて欲しい(笑)。

そういえば「日本で一番音がいいジャズ喫茶」として知られる「ベイシー」(岩手県一関市)のオーナー「菅原昭二」さんの著書に「ジャズ喫茶ベイシーの選択」というのがある。



若い頃に感銘を受けて何度も紐解いた本だが、「選択」という言葉に新鮮さと多大の共感を覚えたものだが、今となってみてもオーディオには常に「選択」という第三者的な視点が要ると思っている。

それでは、以下我が家の具体的な選択事例を挙げてみよう。

ただしあくまでも「独断と偏見」が入り混じった「私見」なのでそのつもりで受け止めてくださいな。どうか気に障ってお腹立ちになりませんように~(笑)。

✰ クラシックとジャズ

つい先日、メル友の「I」さんから次のようなメールをいただいた。

クラシック再生は、音場の広さが必須と考えますが、ジャズは逆に密な音場に密な管楽器を聴きたいというのが私の希望です。

そのために、左右のスピーカー間は狭くしてある方だと思います。もっとくっつけたいのですが、中央のラックは除けないので、妥協の位置です。」

日頃からジャズはモノラルに限ると思っているので同感の一言だった。したがって、クラシックとジャズを一つのシステムで両方ともうまく鳴らそうなんてどだい無理な話ですよね。

✰ 大型スピーカーと中小型スピーカー

それぞれ得意とする分野が違う。

前者はオペラやオーケストラのスケール感や力感が求められるものに適している。後者は小編成、ボーカル、ヴァイオリン独奏などの微細な表現力にマッチング。大は小を兼ねないし、小は大を兼ねない(笑)

✰ 真空管アンプとTRアンプ

前者は中高音域にかけての倍音成分の表現力に持ち味があり、後者は中低音域の応答性の良さに特徴がある。

個人的にはオーディオで一番「再生」が難しいと思うのは「低音域」なので、TRアンプで倍音成分の表現力に優れているアンプがあったら言うことなしだがちょっと無理だろう。

✰ レコードとCD

レコードの方が音がいいに決まっているが、いつも思うのが良く調整されたCD機器と調整が巧くできていないレコードとでは、むしろCDの方が上だと思っている。

そして、レコードでいい音を出そうと思ったらフォノモーター、ピックアップ、トーンアーム、カートリッジ、そして大切なフォノイコライザーアンプなど枚挙にいとまがないほど手間とお金がかかり、調整がメチャ難しい。

これまで、いろんなお宅でレコードを聴かせていただいたが、CDからレコードに代えようという気にさせられたことはいっさい無かった。

いまや、デジタルは「384KHz」「768KHz」あるいはそれを越えようかという時代だから、もはやレコードに固執しない方がGOODではないだろうかと、声を大にして叫んでおこう!

✰ 三極管と多極管

つい最近のブログにも記したようにそれぞれ持ち味があって、中高音域の抜けの良さは三極管に、低音域のゴリッとした駆動力は多極管にメリットがある。

言い換えると、両者にはそれぞれ欠けているものがあるので、システムの中でうまく使い分けるとヴァラエティに富んで楽しみが広がっていく。

以上のほかにも事例はいろいろあって、まったくオーディオは至るところ「選択」だらけなんですよねえ~(笑)。

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