「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

会心の3ウェイシステム

2019年12月01日 | オーディオ談義

はるか昔の学生時代のこと、「白い渚のブルース」という曲にハマってしまったことがある。

イギリスのテレビドラマの主題曲で、演奏はクラリネット奏者の「エッカー・ビルク」、当時アメリカのビルボード誌で2週連続1位に輝いたヒット曲である。

原題は「Stranger On The Shore」とあり、直訳すれば「渚の見知らぬ人」となる。

「白い渚のブルース」なんて、これほどの名曲に誰がこんな陳腐な題名を付けたのかと思わず怒りがこみあげてくる(笑)。

わざわざこの曲が収録されているというだけで13枚組の「ムード音楽全集」を手に入れて、ブルーレイ・レコーダーの「HDD」に収録し毎日、朝な夕なに愛聴している。

所詮はポピュラー音楽に過ぎないのだが、クラリネットの渋くてふくよかな響きとそれに似合ったメランコリックなメロディがとても素敵~。

演奏者だって、真空管だって、スピーカーだってそう、イギリスってのはどうしてこうも品が良くて琴線に触れてくるような哀愁を帯びている”お国柄”なんだろうか!

そして、肝心の聴いているスピーカーは1か月ほど前に編成したばかりの3ウェイシステムだった。

   

これはこれで音質的に何ら違和感は持たなかったのだが、久しぶりに「AXIOM80」(オリジナル)を引っ張り出して聴いてみたところ、中高音域の解像度が段違いなのに驚いた!

ちなみに「AXIOM80」は日頃はめったに聴かない。いい音が出ると分かりきっているので、あまり面白くないのだ。まあ贅沢な話ではあるが(笑)。

見方を変えると我が家のオーディオの羅針盤的な役割を果たしているわけだが、どんなスピーカーも中域以上を「AXIOM80」と比べるのは酷とはいうものの、それにしても今回の場合は何とかできないものかと内心焦った。

音が塊りのようになって聴こえる真犯人はといえば3ウェイの真ん中に使っているテクニクスのスコーカーにあるのは間違いない。

それに代わるユニットはないものかと思案投げ首のところ、ふと思い出したのがグッドマンの「楕円形スピーカー」だった。

2年ほど前に「北国の真空管博士」から譲っていただいたもので、ラジオ内蔵用のスピーカとして使用されていたものでフルレンジ・タイプである。

しかもれっきとした「アルニコ・マグネット」が付いているのだからたまらない。

どこに直し込んでいたっけと、探すこと10分余り、ようやく倉庫の片隅で見つけた。

欣喜雀躍しながら、さっそくテクニクスと入れ替えた。な~に、ネットワークとSPコードを接続するだけだから簡単なものである。

かくて出来上がり~。

   

これで、すべてイギリス製のユニットに統一された。

改めて各ユニットの紹介をしておくと、

「~500ヘルツ」(-12db/oct)がグッドマンの「AXIOM150マークⅡ」、「500~4000ヘルツ」が同じくグッドマンの「楕円形ユニット」(後面開放の箱容り)、そして「4000ヘルツ~」がワーフェデールの「スーパー3」

何よりも3つのユニットが縦一文字になったので音像定位に一日の長があろうというものだ。

そして出てきた音も我がオーディオ人生の中で「会心の仕上がり」とでも言うべきものだった。

艶やかでふっくらとした音色を持つクラリネットばかりは下手なオーディオシステムで聴くと魅力が半減してしまう。

今回はエッカー・ビルクのクラリネットが優雅にそして憂いを帯びながら心の中に沁み込んでくるのが切なくてたまらない。

あえて自画自賛を承知で言わせてもらうと、この3ウェイは最高ですよ!

そして、ふと気が付いてみると、DAコンバーターは「エルガー・プラス」(dCS)、プリアンプの真空管は「ムラード」の「8162=12AU7」、駆動するパワーアンプの出力管は「PP5/400」(英国マツダ:初期版)と、主だったものがすべてイギリス勢になったのは不思議。

それにしても、なぜ早く「楕円形ユニット」に気付かなかったのかと、思わず自分の頭を小突いてやった(笑)。

さあ、今日(1日)の午後は近隣のYさんを招いての試聴会だ。久しぶりに「参った!」と言わせてやりたいが、はたしてどういう展開が待っていることやら・・。

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