最近、どうも「オーディオ」関係の記事が減少気味。
この猛暑のせいで日中、あまり音楽を聴く気がしないのがその理由の一つ。どうも暑さに弱くて毎年そうである。
秋口になって涼しくなると音楽を聴く機会が増え、それに伴ってオーディオに対する関心が増えてきて、それが投稿に反映されるという仕組み。
どうやらこの傾向は自分だけではないようで、全般的にみてオーディオ関係の人の行き来や機器の売り買いなども「秋から冬」が最盛期。読書や勉強も含めて室内作業は”すべからく”そうだと思うがどうだろうか。
そして、もう一つの理由は、現在の「オーディオ・システム」にほぼ満足していること。「これ以上、音にケチを付けたら罰(バチ)が当るかもしれない」なんて思うほどで、こういう心境になったのは久しぶり~。
というわけで「オーディオ」関係の記事に縁遠くなるばかりなので今回は久しぶりにちょっと無理して題材を探してみた。
題して「20~2万ヘルツ」との戦い。
スピーカーから出る音に対する判断基準にはいろんな尺度があって、周波数レンジ、音色、音の抜け、音像定位、音声信号に対する反応の速さなどいろいろある。
これらの判断基準のうち、何を重点的に取り組むかは各人の個性によってマチマチなのが「オーディオ」の面白いところだが、まずは「周波数レンジ」は真っ先に各人の念頭に浮かぶ事柄だろう。
一般的に人間の耳に聞こえる周波数レンジは低域は20ヘルツから高域は2万ヘルツまでとされる。
結局、オーディオとは周波数「20~2万ヘルツ」との戦いに尽きると思う。この帯域を厚過ぎず、薄過ぎずきちんと隙間なく再生できることが究極の目的といっていい。
これほどに大切な周波数帯域だがよくオーディオ雑誌なんかで、低域が充実してるとか、高域が伸びていないとか記載してあるが、厳密に低域とか高域がどの辺の周波数を指すのかといったことになると、意外と曖昧模糊としているのが実状。
オーディオは感性の世界と同時に自然科学〔物理)の世界でもあるので、この際、その辺をある程度数値的に明らかにしておくのも悪くはあるまい。
以下、具体的に記してみたが原典は知人からいただいたある老舗のオーディオ店の資料。ただし数字については厳密に固定化したものではなくてほぼその前後と考えてもらったほうがいい。
各人によって耳(脳も含む)の機能がマチマチなので定数化するのはあまり意味が無いのはもちろん。なお、カッコの中は「音色の感じ」である。
1 最低音域〔深さ) → 20ヘルツ~70ヘルツ
2 低音域〔重さ) → 50ヘルツ~120ヘルツ
3 中低音域〔太さ) → 80ヘルツ~250ヘルツ
4 中音域〔厚さ) → 180ヘルツ~600ヘルツ
5 中高音域〔明るさ) → 450ヘルツ~1050ヘルツ
6 高音低域(堅さ) → 900ヘルツ~2200ヘルツ
7 高音域〔鋭さ) → 1800ヘルツ~5000ヘルツ
8 高音高域(脆さ) → 3500ヘルツ~9000ヘルツ
9 最高音域〔荒さ) → 7000ヘルツ~17000ヘルツ
高域といっても主に4つの区分があり、それも意外と低い周波数から始まっていることに驚かれる方が多いかも。とにかく実際に1万ヘルツも出れば上等の世界である。
よくCDは高域の上限を2万ヘルツでカットしているのでケシカラン、その点アナログ(レコード)では高域が際限なく伸びているので上等なんて話をときどき見聞するが、いろいろ論議はあろうが自分はナンセンスだと思っている。
人間の耳は実際にせいぜい聞えて1万5千ヘルツくらいだし、そもそもその辺の周波数以上をきちんと再生できるシステム〔特にツィーター)を使っている人ってどのくらいいるんだろうか?
話は戻って、一部の帯域の強弱によっても聴感覚はいろいろと左右される。
1,2,3が強調されると「含んだ音」に、以下同様に4,5だと「肥えた音」に、6、7、8だと「硬い音」に、8,9だと「尖った音」に聞える。
一方、1,2,3が弱まると「軽い音」に、以下同様に4,5だと「やせた音」に、6,7,8だと「柔らかい音」に、8,9だと「丸い音」になる。
音楽を聴くときはこういった部分的な帯域の強弱とともに音量が千変万化しているので、オーディオ装置で音楽を聴く行為がそもそも一筋縄ではいかないのがよく分かる。
さ~て、「20~2万ヘルツとの戦い」といっても、通常、耳にする帯域は「ピラミッド型」として言い表されているように低音域~中音域がほとんど。
この辺りをいかに「生々しく」「解像力よく」「力強く」「奥行き感」を持って鳴らせるかがオーディオの第一関門になる。一番「血(お金)と汗と涙」を流すのもこの付近。帰するところやっぱりスピーカーの性能次第かなあ~。