「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

オーディオ談義~「オーディオ」と「ネット・オークション」~

2010年07月03日 | オーディオ談義

パソコンを見よう見真似で使い出したのがやっと10年前、そしてオーディオ機器の購入にネット・オークションを利用し始めてから9年くらいになるだろうか。

出品の方は何だかトラブルが多そうなので敬遠しており、もっぱら購入専門。

ず~っと真空管アンプを愛用しているので昔の手に入りにくい古典管や珍しいSPユニットなどを購入するのに随分と重宝してきた。

落札したときは小まめに出品者との連絡を行い、入札後の翌日(土、日を除く)には必ず代金の振込みを実行してきたので、軽く200件を超える取引数のうち「非常に悪い」評価は1件だけだった(それも向こうの勘違い!)のが内心、自慢のタネだった。

それに、これだけのオークションを経験しても一度だって不正な取引とか、騙されたことがないのが不思議。
「オーディオが趣味の人間には悪人はいない」な~んて、ちょっと手前味噌?

しかし、そういうコツコツと積み重ねてきた実績がこのたび一挙にご破算になってしまった。

と、いうのは、先日のブログで記したとおり、1日およそ600通にもなる「迷惑メール」を防止するため専門業者に依頼して最新の「セキュリティ」を導入してもらったのはいいのだが、そのときにどうもオークション用のIDもついでに変更されたみたい。(まったくのパソコン音痴で一切お任せなのでその辺の事情が分からないまま)。

1週間ほど前に、ケンウッドの「L01-A」アンプ(およそ30年前のアンプ)がオークションで安く売りに出されたので、スペア用に確保しておこうと思って入札ボタンをクリックしたところ、IDとパスワードを記入しないままに、いきなり「新規扱い」の入札と表示されてしまった。

「あれっ」と驚いたが一旦クリックするともう取り返しがつかない。

しかもそのオークションの出品者側の説明には、
「新規の方とは取引をしない場合があります」とちゃんと書いてある。

IDを次々に変更して不正取引を繰り返す輩が絶えないのを警戒してのことだからよく見かける記載だが、まさか、自分がその対象になろうとは夢にも思わなかった。

オークションの落札期日は、6月26日(土)22時12分。

幸い他の入札者がおらず、出品価格のままめでたく落札できたのはいいのだが、大変安くて程度の良さそうなお買い得品なのでどうしても取引の成立を期したいところ。

さっそく、出品者あて「取引ナビ」のメールで先手をうった。

「はじめまして 大分県別府市の○○と申します。このたびは落札させていただきありがとうございます。一応、新規となっておりますが、迷惑メールが来てヤフーのIDを替えたためですので、決して怪しいものではありません。これまで200件以上落札し「悪い評価」は1件だけです。

以上でよろしければ、月曜日の午前9時以降に振込みをさせていただきますので振込先と送料を教えていただきますようお願いします。

よろしくお願いします。」

どうやら、必死の低姿勢が功を奏したのか納得していただいたようで、すぐに返信がきた。

H田さんという高知県在住の方で、四国と九州というわけで比較的近い距離。通常は送料が3,500円ほどが2,300円程度で済んだ。

さあ、それからが正念場、アンプが着くまでは油断ができない。折角の信用がぶち壊しにならないようにと月曜日(28日)になると、きっかり午前9時に間に合うように一目散に銀行に駆けつけた。

預金通帳から無事振り込んで、「支払い完了しました」と取引ナビを送信。

すぐに「商品を発送しました」→「商品受け取りました」→「非常に良い」評価→向こうからも「非常に良い」評価をいただき、メデタシ、メデタシ。

「幸先よくこれにて一件落着」とホッと一息ついていたところ再び次のメールがきた。

「もしや○○様は「音楽&オーディオ」の小部屋というブログを書かれておられる方ではないでしょうか。違っておりましたらお詫び申し上げます。」

「エ~ッ」と思わず声を上げてしまった。ブログを始めて3年8ヶ月になるが自分のブログを読んでいる方と取引したのは始めて~。

「結構、見てくれてる人がいるんだ」
と思わず感激した!どうやら「別府市」と「Lー01A」のアンプ購入ということでピンとこられたらしい。

それからはH田さんと、このアンプのことで大いに話が弾んだのは言うまでもない。H田さんはお若いときから「L-01A」がお気に入りで4台も購入されたとのこと。

1979年の製造当時の価格がおよそ30万円、今の価格でいけば100万円程度だから、H田さんのこのアンプへの惚れこみようが分かろうというもの。

本体が鉄材を一切使っていない非磁性体、電源部は別の筐体となっていて出力100W(4オーム時140W)、トランジスターなのでSN比は抜群とくれば自ずと音質のほうも想像がつく。

                 

H田さんはその後、このアンプの故障が相次ぎ段々と手放されて現在は1台のみ、替りにセパレートのパワーアンプを購入され、新築したオーディオ・ルームで活用されているとのことだが、「L-01A」はもともとプリメイン一体型のアンプなので、パワーアンプへの改造は思いもつかなかったそうだ。

7月1日(木)にこのアンプ改造の専門家、M崎さんが我が家にお見えになったのでこの件を話すと「そうだろうね、プリメイン・アンプとして作られたものをメイン・アンプに改造して使用するなんて発想はまず湧かないよね」と苦笑されておられた。

さて、その「L-01A」アンプは我が家で使用中が2台、今回の購入でスペアが4台となった。計6台。これで縁起でもないがおそらく「仏さん」になるまで大丈夫だろう。低域用のアンプを完全に確保できたというわけでまずはひと安心。

とにかく中高域用に使っている真空管アンプとの相性が抜群なので絶対に手離せない。

ただし、このアンプは製造元の「ケンウッド」では、もはやスペアの部品も枯渇していて修理を一切受け付けていない。

ひところはオークションでも高値だったが、そういう事情もあってか最近は随分と安値になった。そこを幸いに、千載一遇のチャンスで買い占めたわけだが、修理の専門家の存在をいいことにして何だか「ヴェニスの商人」になったみたい。

もうこの辺でそろそろ打ち止めにしてもいいかな~。

 


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