呑む気オヤジ/蔵王山麓蓬莱庵便り

蔵王山麓暮らしのオヤジの日記。合唱も映画もドライブも温泉も、たまには俳句も・・・😄

呑む気父さんの読書感想文・その21「変身」

2006-04-11 | 本の話
変身

講談社

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♪「変身」東野圭吾著 講談社文庫
東野圭吾は父さんにとって、ほとんど「憧れの人」になりつつあるな。いい年こいて「憧れ」でもないだろうけど、やっぱりいいよ。自分に年が近いのも、なんかいいね。自分より随分年上だったり、逆に若すぎるとあまり共感も覚えない。最近、音楽にしても文学にしても自分の年齢に近い人が活躍しているのを見たりすると、結構嫉妬したりするんだけれど、東野圭吾は尊敬するなぁ。
「変身」は、拳銃強盗に巻き込まれ頭部を撃たれた主人公が、脳移植により奇跡的に回復するが、次第に人格が変わってゆく…という怖い話。温厚で気弱な性格が、少しずつ積極的に、そして凶暴に変身してゆく。そしてなんと脳のドナーは…!! 怖い話だが、どんどん引き込まれてゆくな。本当に面白いよ。
この話は、結構グロテスクで容赦ないストーリーだが、東野圭吾は最後の最後に「救い」を残してくれる。他の小説もそうなのだが、最後の1ページ、最後の数行を読んで「あぁ~これでよかったんだな」と納得するんだ。ここが凄いところだな。なんで今まで「直木賞」を獲らなかったんだろう。不思議だ。
明日からは、いよいよ受賞作「容疑者Xの献身」に取り掛かるよ。美味そうな肴と芳醇な純米吟醸酒を目の前にして、涎がじわじわっと口の中に湧いてくるのに似た心もちだ。
コメント
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