夜、照明を消して部屋を暗くしてロウソクを灯してみる。ロウソクは普通のパラフィンのものでもよいが、和ろうそくの方が炎が長く、燃え方にゆらぎあるのでそちらの方がよい。
ロウソクを自分に見立てるのである。
ロウソクが光を発する。そして周りを照らす、ロウソクの働きである。(自灯明)
ロウソクの光によって、そこに照らされて存在するものが光を発してくる。光の具合によって景色が変わる。ロウソク独自の世界が展開する(法灯明)
ロウソク自体と照らされて見えてくる世界は不可分一体である。ロウソクの光なければ照らされた世界もないし、世界がなければロウソク自体意味をもたない。ロウソクの持つ独自の世界、その世界ぐるみがロウソクのいのちである。
自分のいのちがあってあらゆるものが存在する。その様子がよく知れると思う。
なお、ここでいう法は一切法のことである。一切法という場合の法は存在するもの、物質的・精神的すべてのものごとを指す。諸法、万法ともいう。